研究課題
発がんの検索は、ゲノムコピー数の異常(CAN)やヘテロ接合性消失(LOH)など細胞が自ら抑制不能となり、無秩序に成長する原因である遺伝子変化を検出することから始まった。多くのがんの場合、このような変化はがん化を促進するがん遺伝子の活性化もしくは、がん抑制遺伝子の不活化によって起こる。我々は、これまでに口腔扁平上皮癌の発生過程について第2番、3番、21番染色体上の欠失状況をLOH法を用いてアレル不均衡の解析を行ってきた。その結果、OSCC患者から2qで2か所、3pで3か所、21qで4か所に共通欠失領域の同定を明らかにし、これらの染色体座位には口腔がんの発生に関与している未知がん抑制遺伝子が存在していることを明らかにした。最近、大規模な一塩基多形(SNP)タイピング用に高密度オリゴヌクレオチド(GeneChip;Mapping 10K Array)が開発され、がん細胞ゲノムに生じる様々な変化を全染色体上で網羅的に解析することが可能になった。個々の人間の遺伝子配列は99.9%まで同一で、残り0.1%が異なる。この違いは、一塩基多型(SNP)とよばれ、DNA塩基配列が一塩基だけ置換されている変異に由来するものであり、発がんに関連する遺伝的変異または遺伝的差異のパターンを明確にするのに有効な情報である。ヒトゲノムには1,000万か所のSNPが含まれると推定されている。これは、300塩基ごとに1か所存在する割合になる。Mapping 10K ArrayにおけるSNPプローブの平均間隔は210 kbごとであり、10,204個のSNPが測定可能で、従来のCGHに比べ、極めて高い解像度と分解能で染色体コピー数の変化を検出することが可能である。全ゲノム上のCANとLOHを検索した結果、1q31.1領域に3か所(D1S1189、D1S2151、D1S2595)の候補遺伝子座位を同定した。
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