研究課題/領域番号 |
24593010
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
片倉 朗 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10233743)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 唾液 / 口腔癌 / タンパク / メタボローム解析 |
研究概要 |
口腔癌の早期発見のために一般の歯科医師が口腔癌のスクリーニングを容易に行えるシステムの開発のため、簡便にかつ非侵襲的に反復して採取できる唾液を検体をして口腔前癌病変の癌化のリスクファクターを判定する検査方法を確立するのが目的である。本研究では多くの口腔癌患者の唾液をキャピラリー電気泳動‐質量分析法メタボローム解析により網羅的に検索して、唾液に含まれる口腔癌のバイオマーカーとなるタンパク、酵素を特定し、その抗体の作成を目標としている。 平成24年度は、口腔癌患者由来全唾液(外科的切除前)および健常者全唾液を20検体以上収集し、タンパクの抽出・精製、CE-MS解析を行うため、本学倫理申請を行う予定であった。メタボローム解析は、慶應義塾大学先端生命科学研究所(ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ)で行なうが、連携研究のための打ち合わせが遅れたため、本学倫理申請手続きが滞り、年度内での申請許可が得られず、検体収集に着手できなかった。しかし、本学の連携研究者の解析のためのテクニックトレーニングを計画・実行しており、倫理申請が通り次第、速やかに研究に入る体制は整った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
メタボローム解析を行なう慶應義塾大学先端生命科学研究所(ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ)との具体的な打ち合わせが遅れたため、本学倫理申請の手続も遅れ、全体的な予定が遅れてしまった。 倫理申請が通っていないため、検体の収集には着手できていないが、本学の連携研究者は解析のためのトレーニングを実施しており、研究のための体制は整っている。
|
今後の研究の推進方策 |
倫理申請が通り次第、平成24年度に計画していた検体の収集を行なう。対象は口腔癌患者約20名、および対照群は口腔内に病変を持たない45-65歳の教職員約20名とし、書面で同意を得られた者とする。年齢、性別、生活習慣病因子や食習慣などについて情報収集を行うとともに、病理組織学的検査による診断結果を収集する。 試料の採取については、口腔癌患者の組織の採取、唾液の採取については、口腔癌患者、対照者より決められた条件のもとで行う。得られた試料は、講座内の実験室で前処理、保管をし、慶應義塾大学先端生命科学研究所(ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ)に送付し、組織は、それぞれ解析した測定データについて統計解析を行い、組織の代謝データは、代謝異常の有無を調べる。唾液の解析については、CE-MSを用いて一斉分析を行う。 このパイロットスタディで特徴的に増加・減少した代謝物質の再現性・普遍性を検証し、新たなマーカーとなる代謝物質とその表現型の分布とpathwayを解析できれば、ターゲットとしたタンパク質の合成に関与するmRNAをトランスクリプトームから解析し、CE-MSで得られた結果との整合性を検証する、次のステップに進む予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
検体の収集が未着手のため、メタボローム解析を依頼するに至らなかった。平成24年度の解析委託費用は、平成25年度の解析委託費用と合わせて使用する予定である。また、消耗品、学会旅費については予定通り使用する予定である。
|