研究実績の概要 |
私たちは今までに口腔癌の早期発見を目的にスクリーニング検査として唾液のバイオマーカーを用いる研究を行ってきた。先行研究では口腔癌患者の唾液を試料として二次元電気泳動法により網羅的にタンパクの検索を行なったところ、特徴的に増加・減少する10種のタンパクスポットが検出できた。さらに二次元電気泳動法を用いて、その中で口腔癌患者に特徴的に出現するタンパクの質量解析からその一つとしてenolase 1を特定した。今回はさらに口腔癌患者(舌癌・下顎歯肉癌)の術前の唾液、ならびに健常者の唾液を各々20検体以上収集し、メタボロミクス、キャピラリー電気泳動-質量分析法(CE-MS)で特徴的に増加・減少した代謝物質の再現性・普遍性を検証し、新たなマーカーとなる16種類の代謝物質(3-(4-Hydroxyphenyl)propionic acid, Butyric acid, Cholineなど)とその表現型の分布ならびにpathwayを解析した。
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