研究課題/領域番号 |
24593011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
清水 治 日本大学, 歯学部, 講師 (40260971)
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研究分担者 |
岡 俊一 日本大学, 歯学部, 准教授 (20256879)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 唾液腺再生 / 顎下腺 / 細胞骨格 / integrin / duct like structure |
研究概要 |
ラット顎下腺再生過程における細胞骨格形成の変化を、FITCあるいはTRITC標識のphalloidinを用いて検索した。また、細胞外基質のレセプターであり細胞骨格を調整しているintegrinに関してもその局在を詳細に解析した。その結果再生3日目から7日目にかけてduct-like structure(DLS)のapical siteとその細胞内に線状のactin陽性反応が認められた。また正常顎下腺とDay14のintercalated duct(ICD)に線状のactin陽性反応が認められた。一方integrinに関しては再生過程である3日目から7日目にかけてalpha3-integrinはDLSを構成する細胞のapical surfaceとlateral surfaceに認められた。また、再生3日目において未熟な腺房細胞に認められたdiffuseなalpha6beta1-integrinの局在は,alpha3-integrin陽性細胞の遠位に存在していた。さらにalpha6beta1-integrinの腺房細胞における局在は,腺房細胞の分化が進むのに伴って,細胞質から基底側へと変化した。 以上のことより顎下腺再生過程におけるDLSがICDと類似した性質を有し,このDLSから腺房細胞への分化にalpha3-integrin,alpha6beta1-integrinおよびF-actinの局在の変化が関与していると考えられた。顎下腺再生過程におけるF-actinとalpha3-integrinのDLSでの局在はICDでの局在と類似していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の1年目は免疫染色を主体とした実験である。ラットの顎下腺萎縮再生モデル作製技術は既に習熟しており、上記に示したように実験ペースは順調に進展していると思います。
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今後の研究の推進方策 |
二年目は、in vitroの実験系の確立および添加実験を行う予定です。萎縮させた顎下腺から得られた細胞懸濁液からスフェロイド培養を作製しcytochalasinD,FGF, Shh, Pax6, 9, FGFR inhibitor, PI3K inhibitor等を添加し腺房細胞の形成過程をaquaporin5で観察する。また、in vivoで得られたデータと比較検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は115,296円であり、これは国内旅費の一部で、大学の行事のため予定していた学会に出席できなかったためである。繰り越された金額は次年度の国内学会出席の旅費として使用する予定である。二年目は培養系の実験が多くを占めるため、培養関係の器材や抗体・inhibitor購入に消耗品費を充てる。得られたデータを英語論文として投稿するため翻訳・校閲料を計上した。
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