研究課題/領域番号 |
24593011
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
清水 治 日本大学, 歯学部, 講師 (40260971)
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研究分担者 |
岡 俊一 日本大学, 歯学部, 准教授 (20256879)
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キーワード | 唾液腺再生 / in vitro / duct-like structure / スフェロイド培養 |
研究概要 |
2年目の実験計画は萎縮させた顎下腺の細胞懸濁液からスフェロイド培養を作製し種々の成長因子、chemical inhibitorを添加し腺房細胞の形成にどの様に関与しているかを検索することだった。顎下腺からの細胞懸濁液を種々の細胞数に調整し、96穴U底プレートに播種した。その結果、細胞の集合塊を形成した。HEおよびPAS染色で形態を観察したところU底に接している部位に被膜様に細胞が並んでおり、集合塊中央部にaquaporin5陽性の細胞が観察された。しかし、PI3K、Shh、BMP-4の添加実験を行ったところスフェロイド培養の辺縁部に変化は起きるものの、その部位がなぜそうなるのか未だ不明である。2年目を終了した現在、in vitroでのスフェロイド培養における形態学的位置付けが必要になっている。aquaporin5陽性細胞は存在しているが、その部位が腺房細胞に分化しているのかどうか?また、介在部導管、線条部導管、筋上皮細胞は何処に行ったのか?結紮解除0日目で存在しているduct-like structureがin vitroでそれらの細胞に分化増殖しているのかを確認する必要がある。従って、stem cellのマーカーであるSca-1,c-kit、介在部導管細胞のCK-18、筋上皮細胞のalpha-SMAなどを用いそれらの細胞のin vitroでの存在部位を詳細に検索する必要がある。この形態学的位置付けを終了した後、当初の計画にある添加実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
in vitroでの実験系の確立に時間を要している。in vivoでのそれぞれの細胞が、萎縮された顎下腺の細胞懸濁液からスフェロイド培養された際、何処にどのように各細胞が存在するのか精査する必要があるため当初の計画よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
in vitroでの分化・増殖の確認とin vivoでの腺房細胞、介在部導管等の各組織が何処に存在しているかを詳細に検索する。さらに、予定にある添加実験を行って、in vivoとのデータの比較検討を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品購入時に値引きがあり26,283円の繰越金が生じた。 最終年度はin vitroでの実験系の詳細な確立とそれを用いた、成長因子やchemical inhibitorの添加実験を行う予定である。従って、動物や培養(medium, dish, pipet)、添加実験に使うタンパク等消耗品に費用をあてる。
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