【最終年度に実施した研究の成果】唾液腺のstem cellのマーカーであるSca-1とc-kitを認識する抗体を用い再生過程にある唾液腺における局在を検討した。その結果、両者ともduct-like structureとintercalated ductに認められた。今回確立を目指した結紮された顎下腺から得られた細胞懸濁液からスフェロイド培養し、得られた培養3日目の集合塊をHEおよびPAS染色し、さらにalpha-SMA、CK-18にて免疫染色した。HE染色では96穴U底プレートに沿って一層細胞が並んでおり、その内側に上皮様の細胞塊が認められた。また、中央にはやや紡錘形をしたalpha-SMA陽性細胞が認められた。また、Sca-1とc-kitは集合塊周囲の一層の細胞に認められたが、CK-18に関しては陽性反応は認められなかった。in vitro添加実験では、PI3Kの抑制で細胞集合塊が増大した。 【研究期間全体を通じた成果】本研究は、萎縮した唾液腺の再生過程をin vivoとin vitroに関して成長因子の局在および働きを解析することを目的とした。成果としては、in vivoでは計画したすべての成長因子に関してその局在を検索することが出来、学会発表や論文発表にいたる成果を得られた。しかし、in vitroでは萎縮させた顎下腺を細片し酵素処理した細胞懸濁液を用い、培養したところ3日目には細胞集合塊を形成するにいたったがした、形態的にcharacterizationを行うことは困難であった。しかし、in vitroでの成長因子の局在が検索でき、inhibitorの添加実験ではPI3Kの抑制で細胞集合塊がの大きさが増大したという結果が得られた。
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