研究実績の概要 |
平成24年度はヒト口腔がん細胞株(舌癌由来の角化型SCC細胞株(HSC-2)および低分化型細胞株 (HSC-3)を用いLuciferaseなどのリポーター遺伝子を導入した細胞株を樹立し、ヌードマウスの舌、腹腔内に移植し、発光イメージングが可能な舌がんの原発および腹膜転移モデルを確立した。平成25年度は別の2株のヒト口腔がん培養細胞(UMSCC81B,Ca9-22)をヌードマウスおよびラットの舌ならびに皮内、皮下に移植をし、遺伝子導入なしで蛍光イメージングが可能な舌がんモデルを確立した。これら舌がんモデルを用いて以下の2つの方法でイメージングを行い、その特異性と感度を比較した。1)簡易型口腔がん蛍光診断装置(Velscope)を用いて皮内腫瘍、皮下腫瘍、舌腫瘍に青色光(432nm)を照射し、イメージングを試みた。その結果、ICG標識Podoplanin抗体をプローブとして用いた蛍光イメージングは特異性に優れるが、癌の検出感度が低い可能性が示唆された。一方、Velscopeなどの特殊光イメージング装置は、皮内や舌腫瘍など粘膜表面に露出した腫瘍に対しては比較的高い感度を認めたが、Marginなどは必ずしも明瞭ではなく、癌特異性も高くない傾向が見られた。平成26年度は、上記の実験系について継続をし、実験結果について海外英文誌に投稿するために、データの取りまとめと解析を行い論文作成を行った。近々、投稿予定である。
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