研究概要 |
本年度は、研究目的のSpecific Aim1.の口腔癌細胞、上皮異形性細胞における新規癌マーカー候補分子の発現解析を中心に研究を行った。これまでに、ヒト由来口腔癌細胞株である、HSC-2, HSC-3, HSC-4 におけるNKG2Dリガンド, Survivin, EGFRの発現についてフローサイトメーターで解析した結果、まだ予備実験の段階ではあるが、いずれの分子も高発現であることが分かった。さらに本年度は、それぞれの分子の遺伝子レベルでの発現をPCRを用いて検討した。その結果、いずれの分子も高発現であることを確認した。今後は、これらの分子の発現を抗体でブロックしたり、遺伝子発現を抑制することで、抗癌剤に対する感受性が変化するか否かを検討していく。また、HSC-2, HSC-3, HSC-4 におけるNKG2Dリガンド, Survivin, EGFRの発現調節を行うことにより、NK細胞やNKT細胞からの細胞傷害活性の感度に違いがあるか否かを検討する。 次に、過去の病理組織標本を用いて、扁平上皮癌・上皮異形性・正常細胞におけるNKG2Dリガンド, Survivin, EGFRの発現について検討を行った。これまでに、扁平上皮癌・上皮異形性・正常細胞それぞれについて20症例ずつ染色を行った。現在、それぞれの分子の発現を分析している最中である。 Specific Aim 3.のヒト型モデルを用いた効果的な化学療法、免疫療法の開発基盤については、本年度はまだ着手していない。今後早急に着手する予定である。
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