新規癌マーカーによる口腔癌の診断法の開発を目指し、多くの腫瘍細胞上に発現を認める NKG2Dに着目した。ヒト由来口腔癌細胞株における発現をフローサイトメーターで解析したところ、2種類の細胞で弱い発現を認めた。更に過去の病理標本にて扁平上皮癌・上皮異型性・正常細胞上のNKG2Dリガンド発現を調べたところ、すべてにおいて発現を認めなかった。 一方、免疫制御受容体であるPD-1リガンドについては扁平上皮癌細胞株(2種類)上に高発現を認めた。今後病理標本にてPD-1リガンド発現を見ていく。以上の結果より、NKG2DリガンドよりもPD-1リガンドが口腔癌の新規癌マーカー候補分子となりうることが示唆された。
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