研究課題
基盤研究(C)
【研究目的】3種類の扁平上皮癌株:①口腔癌本体由来株; ②肺転移由来株; ③シスプラチン耐性株それぞれを培養し、70%コンフルエントに増殖した時点でmTOR阻害剤のRAD001, Torin 1を培地内に添加し、両薬剤の癌細胞に対する抗腫瘍効果を比較・検討することである。【実験結果】#1 各阻害剤の50%細胞抑制濃度(50IC)測定: まずHela(扁平上皮癌各)細胞に対する2剤の50%細胞抑制濃度(50IC)を検討した。32Pラベル化したATPとPI3Kキナーゼアッセイ法を使用して測定した。方法は、RAD001, Torin 1を無血清のDMEM培地に溶解した後70%コンフルエントまで培養し、液体シンチレーションカウンターで測定した。結果はRAD001での50ICは25nMであり、Torin1の50ICは1.5μMであった。現在肺転移由来細胞とシスプラチン由来細胞に関して同様の実験を進めている。#2 扁平上皮癌細胞の増殖能力およびViabilityの検討: Hela細胞が70%コンフルエントになった時点で、RAD001, Torin 1 の50IC濃度を培地に添加し、増殖抑制効果をMTT法により検討した。結果はRAD001の50IC濃度では40%まで増殖能力が抑制された。また、Torin 1では20%まで増殖能抑制効果が認められた。
4: 遅れている
本年度は施設の移動があり、研究環境が全く異なったため、実験環境を再構築する必要があった。そのために、環境を整えるための時間に多く取られ、研究遂行に遅延が生じた。
本年度は昨年度に遂行出来なかった事を上半期までに終わらせる事を第一に行う。同時に本年度の実験計画に基づいた基礎データを収集することも平行して行い、年末までには当初の実験計画に沿った所まで到達出来る様な計画を立てる。
昨年度実行出来なかった転移株および抗癌剤耐性株の細胞を入手、2種類のmTOR阻害剤での50%細胞増殖抑制濃度をPI3Kキナーゼアッセイで測定することと、PI3K/Aktの阻害効果を確認することに、今年度の配当予算を重点的に当てる。また、最新情報を積極的に収集するために、旅費の配分をやや多めにする予定である。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件)
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