前年度までに、3種類の扁平上皮癌株:1.Hela細胞株、2.肺転移由来株RCB0444、3.シスプラチン耐性株RCB1152に対して、mTOR阻害剤のRAD001、Torin1を培養中に添加することで、両薬剤の癌細胞に対する抗腫瘍効果を検討した。その結果、各細胞株に対して、両薬剤の50%細胞抑制濃度(50IC)添加時においてPI3K/Aktキナーゼ活性抑制効果を認めた。そこで、本年度は、放射線照射によるmTOR阻害剤の放射線増感効果について検討を行なうこととした。実験は、50IC濃度の両薬剤を各細胞株に添加培養後、50IC相当の線量のX線を照射した時の細胞活性の変化を評価し、さらに、P13K/Aktシグナルカスケードの発現状態を調査することとした。現在、これらの実験は継続中であり、両薬剤による放射線照射に対する増感効果を詳細に検討しているところである。
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