研究課題/領域番号 |
24593027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大倉 正也 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10281130)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | oral cancer |
研究概要 |
口腔がん患者データベースは1116例のデータに増大した。遠隔転移のリスク因子としてを口腔扁平上皮癌516例からロジスティックリグレション解析を用いて判定した。その結果、最近は所属リンパ節や原発巣再発に関連のない遠隔転移単独の発生が多くなっており、そのリクス因子はG3グレードとリンパ節転移を有すること、さらに手術療法以外の治療法の選択であった。中でもG3グレードは、この遠隔転移に特異なリスク因子であることが判明した。(Journal of Oral & Maxillofacial Surgery)にアクセプトされて印刷中である。 頸部郭清術変法の胸鎖乳突筋温存における副神経からの支配神経温存について検討した結果、明瞭に胸鎖乳突筋の萎縮との関連を見つけた。写真解析、毛細血管解析、画像解析を行い、最も数値化できるのがImageJを用いた解析で平成25年5月の国際口腔がん学会で発表を予定している。 N0頸部の治療方針を検定樹解析でオカルト転移率から算定する方法を2009年Oral Oncolに発表したが、この感受性分析において、どの因子が治療閾値を大きく変化させるのかを解析年度をさらに広げてN0症例287例を用いて行い、その結果、N0頸部を経過観察した後に後発頸部転移を発生したときの制御率が大きく影響することが明らかになった。この制御率の向上が、2000年以降の全生存率にも影響していた。 多施設共同研究を立ち上げるための検討部会を立ち上げた。まず、はじめに後ろ向きの共同研究からデータ作成に入った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究成果学会発表、論文発表などが達成できた。より、インパクトのある論文発表をより短時間で行えるようにがんばりたい
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今後の研究の推進方策 |
当施設単独の研究と多施設共同研究を両立させていき、多くのエビデンスを発信できるように考える。国際口腔外科学会でも口演発表の機会を得られた。本年度に2回国際学会での発表となるが、日本のデータを国際会議で明らかにすることは意義深いと考えている。患者さんに対するアンケート調査QOL機能評価について、performance status (PS) scale for head and neck, EORTC QLQ-C30, QLQ-H&N35を推進する。また、唾液からのmicroRNAの網羅的解析の準備を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
国際学会の出席が2回に増えたこと、大学院生2名に国際学会での発表の経験をさせることなどにより旅費がかさむ結果となった。次年度に使用できるように考えた。論文が印刷されるのがおそらく夏から秋口で論文別冊費用が発生する。多施設共同研究のための打ち合わせや、会議が増えると考えている。アンケート調査ための通信郵便費が増額される可能性と、マイクロアレイの準備費用が計上される可能性がある。
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