研究課題
今回の研究期間に症例数は、1211例の口腔癌症例の登録を終え、臨床、画像、病理、機能データ集積を進めた。口腔癌進行症例の術後療法について、他施設共同研究を行い、リンパ節転移陽性の313例のデータ解析行った。その結果、原発が進行癌、切除マージン近接(5mm未満)、4個以上のリンパ節転移が生存率に悪影響を及ぼす独立因子であり、これらの因子を有する症例には、術後補助療法が必要であると結論に至った。化学放射線療法(CCRT)と放射線単独(RT)では、確かにCCRTの方が全体として良好な結果であったが、症例のバイアスを補正するためにpropensityスコア解析を行ったところ、CCRTの優位性がなかった。頸部郭清変法術によって胸鎖乳突筋が温存されても、90%は委縮することが示されていた。水平断CT画像を取り込み、J imageにて胸鎖乳突筋を解析した。99症例で胸鎖乳突筋支配神経を切断のばあい、著明な萎縮が認められ、切断後神経再建した場合、萎縮は抑制された。神経温存した場合でも、尾側の胸鎖乳突筋は委縮する傾向にあったが、75%は委縮が免れた。すなわち、支配神経を愛護的に保護する手術操作が筋肉温存には必要であった。転移リンパ節の被膜外浸潤は予後を悪化させる極めて重要な因子であるが、その中で予後に左右する因子を同定するための共同研究を立ち上げ、画像集積中である。頸部リンパ節転移のマッピングでは、原発巣によって転移部位の特徴があることが分かった。QOL解析では新たにFACT H&Nのデータ集積を開始した。口腔再健皮弁のモニター解析方法として、乳酸値の測定が、有用であることを検討した。舌癌の進展に方向に関して、膜バリアの概念を明らかにするために、切除切片を取り込み画像解析可能が方法を検討した。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 7件、 招待講演 4件)
Plastic and Reconstructive Surgery - Global Open
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