• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

NK細胞活性化受容体リガンドをターゲットとした口腔癌に対する個別化治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24593032
研究機関広島大学

研究代表者

谷 亮治  広島大学, 大学病院, 助教 (10291486)

研究分担者 岡本 哲治  広島大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00169153)
虎谷 茂昭  広島大学, 大学病院, 講師 (90172220)
キーワードMICA / sMICA / NK細胞 / 口腔癌 / 蛋白分解酵素
研究概要

癌細胞が、細胞表面にMICA(MHC class I chain-related molecule A)を発現しているにもかかわらず、NK細胞などMICA-NKG2Dを介した免疫監視機構から逃れ、排除されないのは何らかの免疫回避システムが存在していることが考えられており、その免疫回避システムの1つとして sMICA(soluble MICA)が報告されている。そこで、当科で樹立したOSCC細胞株でWestern Blot法およびNorthern Blot法を用いて細胞抽出液中のMICA蛋白およびMICA mRNAの発現を検討した。その結果、いずれのOSCC細胞株もMICA mRNAを同程度発現していたが、Western Blot法の結果からKO細胞ではMICA蛋白の発現は非常に低いことが明らかになった。一方、ELISA法を用いて培養上清中のsMICA濃度を検討した結果、sMICAの産生量はKO細胞において最も高かった。KO細胞が産生するsMICAの精製解析した結果、sMICAの分子量は20600, 21100, 24200と予測され、MMP-2/9が最も関与している可能性が考えられた。さらにMICA蛋白およびsMICAの発現に及ぼすTGF-β1/2の影響をWestern Blot法およびELISA法により検討した結果、TGF-β1、TGF-β2のいずれも、sMICAの産生を濃度依存的に促進することが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

基礎的検討は順調に進んでいるが、臨床的検討は症例数の蓄積が必要で、治療効果や予後など臨床経過を観察する期間が必要なため、もう少し時間を必要とする。

今後の研究の推進方策

口腔癌患者のMICA遺伝子多型の解析ならびに治療前後の可溶性MICA蛋白濃度の検索として、当科で加療中の口腔癌患者および健康人ボランティアより,十分なインフォームドコンセントを行った後,末梢血または腫瘍組織を採取し,DNAを抽出する。同DNAを用いてMICAの遺伝子多型をPCR法およびフラグメント解析を用いてMICA遺伝子多型を検索する。DNA増幅は,Applied Biosystems 社製のDNAサーマルサイクラー(Gene Amp PCR System9700),フラグメント解析は,当科において保有しているBeckman Coulter 社製のGenetic Analysis systemを用いて解析する。今回,採取した血液サンプルおよびDNAサンプルは,ナンバリングし,超低温フリーザーに保存する。
患者の各治療(化学療法,放射線療法,免疫療法,手術療法)前後の血清中の可溶性MICA蛋白濃度をELISA法を用いて測定する。ELISAにはBio-RAD社製 Model550 Microplate Readerを当科で保有しているのでこれを使用する。

次年度の研究費の使用計画

口腔癌患者からの血液サンプルおよびDNAサンプルの収集が不充分で、臨床的な研究の進行が遅延しているため次年度使用額が生じている。
当科で加療中の口腔癌患者より,十分なインフォームドコンセントを行った後,末梢血または腫瘍組織を採取し,DNAを抽出する。同DNAを用いてMICAの遺伝子多型をPCR法およびフラグメント解析を用いてMICA遺伝子多型を検索する。DNA増幅は,Applied Biosystems 社製のDNAサーマルサイクラー(Gene Amp PCR System9700),フラグメント解析は,当科において保有しているBeckman Coulter 社製のGenetic Analysis systemを用いて解析する。

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi