電子スピン共鳴法を用いた研究では①デスフルランは脂質単独のリポソームの表層にとどまること、②Na,K-ATPaseの存在はリポソーム膜中でのスピンラベル剤の周囲環境および麻酔薬の作用に影響を及ぼさないこと、③揮発性麻酔薬の存在および温度の上昇は膜の流動性を上げること、④本実験系においては、リポソームの形態の相違が結果に影響しないこと、以上4点を示した。 核磁気共鳴法を用いた研究では、①脂質単独のリポソームにおいて、膜上で結合している麻酔薬分子と結合していない分子が速い速度で化学交換をしていること、②麻酔薬が膜の表層側に存在しており、電子スピン共鳴での研究結果を支持すること、以上2点を示した。
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