研究課題/領域番号 |
24593051
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小山 貴寛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30444178)
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研究分担者 |
芳澤 享子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60303137)
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キーワード | 組織工学 / 凍結培養粘膜 / 口腔粘膜上皮・幹細胞 |
研究概要 |
【目的】これまで私たちはティシュエンジニアリングの手法を用いた培養口腔粘膜の開発とその臨床応用を行い、同時に凍結培養口腔粘膜の治癒機縁を動物モデルにより基礎的に検討を重ねた結果、凍結培養口腔粘膜は従来のものと同様に口腔粘膜を再生させることが明らかとなった。しかしながら、現在の培養方法による上皮細胞では長期間の凍結保存により細胞活性の低下が予想され、細胞増殖が不良な凍結培養粘膜が作製される恐れがある。本研究の目的は、増殖脳の高い均一な細胞集団である口腔粘膜前駆/幹細胞を凍結保存し、それらから作製した凍結培養粘膜の粘膜再生能および再生機構を、従来の方法で作製したものと比較し、その有用性を明らかにすることである。【材料と方法】口腔外科外来小手術時に同意の得られた患者の余剰口腔粘膜を採取、上皮細胞を培養し、20μmの孔を有するナイロンメッシュを用いて、小型細胞集団を選別(Izumi K, JDR 2007。)細胞増殖能につき検討を行った後に、同細胞を用いて培養粘膜を作製し組織学的評価を行う。 【結果】小型細胞集団を用いた凍結培養粘膜と通常の培養細胞を用いた培養粘膜はH-E所見では、明らかな差を認めなかった。 【考察および展望】通常の培養細胞と比較して、選別された小型細胞集団より作製した凍結培粘膜はH-E染色では差がなかった。今後免疫組織化学的評価とマウスに移植後の動態を確認することにより、小型細胞集団の凍結培養細胞を用いた培養粘膜の評価を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
口腔粘膜上皮前駆・幹細胞を用いた凍結培養粘膜と従来の培養粘膜の作製は可能となったが、マウスへの移植実験のための準備が十分でなく、この実験に関して検討が行えておらず遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
1)口腔粘膜前駆・幹細胞と従来の方法による凍結培養上皮細胞を用いてEVPOMEを作製し、免疫組織化学的に比較・検討を行う。2)前記の2群の細胞より作製したEVPOMEをマウス背部皮下に移植して、細胞増殖能、分化能、血管誘導能を組織学的、免疫組織学的に比較検討する。マウス皮下への移植の手技に関しては確立されており問題は生じない。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度購入の試薬が使用可能であったため。 また、動物実験が行えておらずその内容に関する支出が行われなかったため。 本学の改修後の動物実験施設での実験に必要な器具の購入と実験動物(マウス)の購入。新たに検討が必要となる免疫組織化学に必要な抗体の購入。 再生医療に関する新たな情報の資料収集。
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