本研究は、静注用の薬物を経口投与するための薬物キャリアの開発を目的とした。薬物キャリアとしてリポソームを用い、ポリエチレングリコール(PEG)外包によるステルス効果およびナノレベルまで細粒化することによって、経口投与時の消化管および肝臓での代謝を減らし、薬物の利用効率(バイオアベイラビリティ)を高めることを期待した。薬物として静注用鎮静薬であるミダゾラムを用い、作製したPEG外包ミダゾラム封入ナノリポソームをウサギに経口投与した結果、ミダゾラムのバイオアベイラビリティが高くなっていることが示された。
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