研究課題/領域番号 |
24593059
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
倉田 眞治 長崎大学, 大学病院, 助教 (20325666)
|
キーワード | 歯科麻酔学 |
研究概要 |
本研究は,急性耐性・痛覚過敏形成への関与が示唆されるレミフェンタニル(RF)の,周術期における最適な鎮痛法確立のため,RFの①単量体・二量体オピオイド受容体の細胞内局在に与える影響を様々な条件下で検討②臨床で頻用されるフェンタニルなどの各種オピオイド製剤や各種鎮痛剤併用下での,単量体・二量体オピオイド受容体の細胞内局在に与える影響を比較検討を行い,得られた結果をもとに,①各種鎮痛剤が単量体・二量体オピオイド受容体の耐性・痛覚過敏形成に与える分子機構を明らかにし,②耐性・痛覚過敏形成を克服するための新規鎮痛法開発の基盤構築を目的にしている。 平成25年度は,平成24年度に引き続き,クローン化μオピオイド受容体(μOR)のC端末に蛍光タンパクVenus を連結させた受容体を作製。トランスフェクション(形質移入)を行いBHK細胞に発現させ,蛍光タンパク融合オピオイド受容体を発現させたBHK細胞に、以下の条件下でのレミフェンタニルを作用させる実験を行った。 A. 各種濃度・作用時間の,レミフェンタニル(RF)単独 B. RFとS(+)-ケタミン併用による影響 各条件下でのレミフェンタニル作用後の,μORの細胞内局在を共焦点レーザー顕微鏡を用い評価を行い,比較検討するとともに,新規シグナルペプチド付加HaloTag融合μORを用いたリアルタイム解析による客観的および定量的測定を試みている。 internalization/recycling機構を共焦点レーザーで解析中であるが,現在まで各濃度のRFはμORをほとんど細胞内移行させ,また濃度依存的に再感作を抑制し,一方,S(+)-ケタミンの併用は各濃度のRFによるμORの細胞内移行を抑制することを示唆するデータが得られ,現在リアルタイム解析による客観的および定量的測定でも解析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新たに,internalization/recycling機構の客観的定量的評価を行うため,新規のシグナルペプチド付加HaloTag融合μORを用いたリアルタイム解析を,様々な濃度・作用時間のレミフェンタニルによる刺激で再度検討を行っているため,予定していたFRETアッセイや細胞内外活性タンパク質併用下での解析がやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
(今後の推進方策)新規シグナルペプチド付加HaloTag融合μORを用いたリアルタイム解析による客観的および定量的測定も併用しつつ,様々な濃度・作用時間のレミフェンタニルによる刺激に対する、単量体・二量体受容体とinternalization/recycling機構の共焦点レーザーによる解析を継続するとともに,FRETアッセイによる二量体化の程度の評価も進めていく予定である。更に細胞内外活性タンパク質併用下・各種鎮痛薬併用下での解析も併せて進めていく予定とし,当該年度でやや遅れた研究計画を着実に遂行するとともに,予定しているin vivoでの行動薬理学的実験に向けた基盤整備および実験を行っていく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
新たに,internalization/recycling機構の客観的・定量的評価を行うため,新規開発・発売されたシグナルペプチド付加HaloTag融合μORを用いたリアルタイム解析による,様々な濃度・作用時間のレミフェンタニルや各種鎮痛薬併用下での刺激での実験について,新実験方法導入の可否や導入後の実験方法などについて検討を行い,ようやく実験を再開したが,予定していたFRETアッセイや細胞内外活性タンパク質併用下での解析などを含め,研究全体の遅れがあったため。 新規シグナルペプチド付加HaloTag融合μORを用いたリアルタイム解析による客観的および定量的測定も併用しつつ,様々な濃度・作用時間のレミフェンタニルによる刺激に対する、単量体・二量体受容体とinternalization/recycling機構の共焦点レーザーによる解析を継続するとともに,FRETアッセイによる二量体化の程度を評価も進めていく予定である。更に細胞内外活性タンパク質併用下・各種鎮痛薬併用下での解析も併せて進めていく予定である。当該年度でやや遅れた研究計画を着実に遂行するとともに,予定しているin vivoでの行動薬理学的実験に向けた基盤整備および実験を行っていく。
|