研究課題/領域番号 |
24593065
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
今村 佳樹 日本大学, 歯学部, 教授 (90176503)
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研究分担者 |
岡田 明子 日本大学, 歯学部, 准教授 (10434078)
篠崎 貴弘 日本大学, 歯学部, 助教 (50339230)
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 教授 (60160115)
小池 一喜 日本大学, 歯学部, 准教授 (70096808)
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キーワード | バーニングマウス症候群 / fMRI / 内分泌 / 免疫 / 鼓索神経 |
研究概要 |
平成25年度における研究としては、バーニングマウス症候群(BMS)の患者を用いた研究として、13名のBMS患者と13名の年齢と性別を一致させた健康成人対照で自律訓練法(AT)とガム咀嚼を介入として設定し、その前後の安静時疼痛の強度(VAS)と内分泌(血漿アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン、コルチゾール、ACTH)、免疫機能(血漿CD4+細胞、CD8+細胞、CD4/CD8比、NK細胞活性)との関係を観察した。その結果、AT、ガム咀嚼ともにVASは著明に改善したが、それに伴い、血漿中の内分泌、免疫機能に有意な変化は見られなかった。一方、BMSの病態としてのCD8+の減少ならびにCD4/CD8比の増加は、先に報告した通りの結果であった。次に、BMSの患者と健康成人対照の機能MRI画像における検討では、32℃、40℃、49℃の3種類の温度刺激を手掌または下口唇にそれぞれ32秒加え、それぞれ前半の16秒と後半の16秒の脳活動の変化を観察した。その結果、侵害刺激を加えた場合に、BMS患者、対照ともに後半で脳活動は有意に亢進した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
BMS患者を使った内分泌、免疫機能の検討では、すでにBMS患者17名、健康成人対照17名において、予定の内分泌、免疫機能の検討を行い、学術誌(Clin J Pain) に発表した。この研究においては予定通りの進行をしており、ガム咀嚼、自律訓練法を行った際の内分泌、免疫機能の検討についてもデータを採取した。これから発表の準備に取り掛かるところである。鼓索神経切断(TNX)モデルを使った動物実験では、既にTNX後のERKの発現については、データを得ており、その際の行動学的観察も行っている。fMRIを用いた研究については、すでにBMS患者と対照群との脳活動の差異については、データが得られており、現在形態変化の研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
fMRIを用いて、VBM、DTI画像の検討を行い、BMS患者における脳灰白質、白質の形態の変化、刺激伝導系の変化について明らかにしたい。BMSの動物モデルでは、鼓索神経損傷後の舌表面ならびに孤束核におけるTRPV1受容体の数についても観察を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に予定していた臨床研究における条件に合うBMS患者(69歳未満)が予定数に満たず、謝礼等必要経費が予定額に満たなかった。 平成26年度には、臨床研究として、BMS患者における咀嚼や自律訓練法の疼痛に与える影響やDTIを用いた刺激伝導ベクトルの研究、灰白質各部位の体積の検討を行う予定にしている。平成25年度以上に被験者の獲得には努力を要するが、その際の被験者への謝礼に充てる予定としている。
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