研究課題/領域番号 |
24593068
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
河原 博 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10186124)
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研究分担者 |
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 講師 (10279135)
阿部 佳子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (30401334)
原野 望 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50423976)
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キーワード | ストレス / 神経科学 / 脳・神経 / 薬理学 / 歯学 / 精神鎮静法 / 抗不安薬 / マイクロダイアリシス |
研究概要 |
歯科治療がストレッサーとして生体に受容される過程と静脈内鎮静法の作用発現に重要なニューラルネットワークへの,ストレッサーと静脈内鎮静法薬の作用を検討した.すなわち「ストレッサーを認識・認知するネットワーク」「不安や恐れなどのいわゆる陰性情動の発現に関係するネットワーク」「循環系や内分泌代謝系などの自律神経系反応調節に関係するネットワーク」について検討を行った. 研究にはWistar系ラットを用い,神経科学的研究手法である脳マイクロダイアリシス(微小透析法)を用いて神経伝達物質の動態を検討した.ラットに負荷するストレッサーとしては,従来の多くの研究で用いられてきた再現性の高いストレスとして,Handling stressを用いた.「ストレッサーを認識・認知するネットワーク」に関しては大脳皮質内側前頭前野,扁桃体中心核を対象とし,「不安や恐れなどのいわゆる陰性情動の発現に関係するネットワーク」に関しては扁桃体外側基底核を対象とし,「循環系や内分泌代謝系などの自律神経系反応調節に関係するネットワーク」に関しては,前視床下部を対象とした. これらの脳部位に全身麻酔下にマイクロダイアリシスプローブを埋入し,全身麻酔覚醒から24時間以降に,無麻酔・無拘束・自由行動状態でマイクロダイアリシスを行った.すなわちマイクロダイアリシスプローブに人工脳脊髄液を灌流して,脳内シナプス間隙に存在する神経伝達物質を回収し,高速液体クロマトグラフィ・電気化学検出器で神経伝達物質の定量計測を行った. その結果,ハンドリングストレスにより大脳皮質内側前頭前野,扁桃体中心核,扁桃体外側基底核,孤束核のモノアミン神経伝達物質が増加し,これらの神経伝達物質の増加は,ミダゾラム,プロポフォールの全身投与により抑制された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,「ストレッサーを認識・認知するニューラルネットワーク」「不安や恐怖などの情動発現に関係するニューラルネットワーク」「循環系や内分泌代謝系などの自律神経系反応形成に関係するニューラルネットワーク」「ストレッサーを学習し記憶するニューラルネットワーク」以上の4つのネットワークへのストレッサーと精神鎮静法薬の作用を検討することとしている. これまでに前者の3つのネットワーク,すなわち,「ストレッサーを認識・認知するニューラルネットワーク」「不安や恐怖などの情動発現に関係するニューラルネットワーク」「循環系や内分泌代謝系などの自律神経系反応形成に関係するニューラルネットワーク」への作用を検討することができた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,「ストレッサーを認識・認知するニューラルネットワーク」「不安や恐怖などの情動発現に関係するニューラルネットワーク」「循環系や内分泌代謝系などの自律神経系反応形成に関係するニューラルネットワーク」「ストレッサーを学習し記憶するニューラルネットワーク」以上の4つのネットワークへのうち,研究に未着手の「ストレッサーを学習し記憶するニューラルネットワーク」に関する検討を展開し,歯科治療がストレッサーとして生体に受容される過程と静脈内鎮静法の作用発現機構を解明する.
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