本研究では、骨微小環境因子の解析のため自然発症2型糖尿病(SDT)ラットにビスフォスフォネート(BP)投与を行い、ラットモデルの樹立を行い、病態の解析を行った。ラットモデルの検討により、BP関連顎骨壊死は炎症細胞反応が乏しく、骨代謝障害のため腐骨分離できずに骨髄炎が長期化した状態と考えられた。また、骨微小環境における破骨前駆細胞のTGF-β1の影響を検討した。運動性の高い破骨前駆細胞はTGF-β1の上昇した骨微小環境内で運動性を消失し、骨リモデリング開始部に定着する。破骨前駆細胞は安定、静止した破骨前駆細胞となり骨芽細胞とともに微小環境を形成し、破骨細胞へと分化していくと考えられた。
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