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2012 年度 実施状況報告書

顎裂部骨移植における幹細胞を用いた骨組織再生療法の試み―造血系幹細胞の併用―

研究課題

研究課題/領域番号 24593071
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

松野 美乃  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 専門研究員 (80374544)

研究分担者 菊入 崇  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10322819)
吉村 善隆  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30230816)
出山 義昭  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (80271667)
飯田 順一郎  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90151232)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード歯学 / 再生医学 / 口唇裂・口蓋裂 / 骨移植 / 幹細胞
研究概要

本研究では、造血系幹細胞と併用し間葉系幹細胞を用いた唇顎裂・唇顎口蓋裂患者における顎裂部欠損部の骨組織再生療法を確立することを目的としている。本研究は移植した幹細胞の分化転換機構として「間葉幹細胞の骨組織への分化過程において、間葉幹細胞は造血幹細胞と相互作用し、それぞれの分化誘導をコントロールしている。」という仮説を基に間葉系幹細胞による骨組織への分化転換機構明を造血幹細胞との相互作用の観点から明らかにし、また臨床応用へと展開するため、骨形成および骨移植の方法について検討し、形態的にも機能的にも優れた歯槽骨を獲得するための骨組織再生療法に関する基盤的研究を行う。
本年度はマウス骨髄より採取・培養した骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)と、骨髄細胞より分離した骨髄由来造血系幹細胞(HSC)を用いて、in vitroおよびin vivoの両面から研究を行った。
In vitroではHSCとMSCの共存培養をおこない、その相互作用を検討した。CFU-F assayを行なった結果、MSC単独の方がHSCとMSCの共存培養よりもコロニー数が有意に多くなった。さらに骨芽細胞分化培地を用いて通法に従い培養した結果、MSC単独での培養とMSCとHSCの共存培養では石灰化に差は認められなかった。
In vitroではMSCとHSCおよび足場をマウス骨欠損部に移植することで骨新生や血管新生が生じるか否か、その量や範囲などの検討を主におこなった。マウス背部皮下およびマウス頭部に骨欠損を生じた部分に細胞と多孔性炭酸含有アパタイトを組み合わせて移植した。HE染色の結果、MSC単独でも骨様組織が形成されたが、MSCとHSCの併用により新生骨の面積が有意に大きくなることが明らかとなった。
以上より、MSCとHSCの併用が骨再生療法の効果的な方法になりえることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に沿って研究はおおむね進んでいると思われる。
前年度の現在までの研究結果を基に、今年度は研究のさらなる成果を上げるようにしたい。

今後の研究の推進方策

今年度も前年度と同様にマウス骨髄より採取・培養した骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)と、骨髄細胞より分離した骨髄由来造血系幹細胞(HSC)を用いて、in vitroおよびin vivoの両面から研究を行なう。
In vivoでは、引き続きマウス背部皮下およびマウス頭部に骨欠損部を生じた部分にMSCとHSCおよび足場を移植する。マウス飼育日数のバリエーションおよび飼育匹数を増やし追加実験をおこなう。マウスへの移植の数週間後に屠殺し移植体およびその移植体周囲組織を摘出し評価する。移植物の肉眼的、エックス線的評価と組織学的評価をおこなう。組織学的評価では、通法に従い、組織切片をHE染色し、顕微鏡下で観察を行う。また石灰化の状態の評価としてアリザリンレッド染色、免疫染色としてα1(I)collagen、オステオカルシン、オステオポンチンなどの検出を行う。
In vitroではHSCとMSCの共存培養をおこない、その相互作用を検討する。分化培地による骨芽細胞の位相差顕微鏡による形態所見、ALP活性、石灰化の程度を検討する。realtimePCRにて骨芽細胞分化に関与する遺伝子の発現について検討する。western blottingにて各タンパクの発現を検討する。脂肪細胞分化培地を用いて通法に従い培養し、位相差顕微鏡による細胞の形態所見、Oil Red O染色により検討する。軟骨細胞分化培地を用いて通法に従い培養し、細胞の位相差顕微鏡による形態所見およびToluidine Blue染色により検討する。

次年度の研究費の使用計画

当該助成金が生じたのは歯学研究科の耐震補強工事が行われ、動物実験施設もその対象となったため、動物飼育数を一時的に減少させたことが原因である。研究計画自体の遅れはないが、今年度減少させた動物実験の数を次年度増加することにより、研究費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Short-term mechanical stress inhibits osteoclastogenesis via suppression of DC-STAMP in RAW264.7 cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Sumika Kameyama, Yoshitaka Yoshimura, Takeshi Kameyama, Takashi Kikuiri, Mino Matsuno, Yoshiaki Deyama, Kuniaki Suzuki and Junichiro Iida
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Medicine

      巻: 31 ページ: 292-298

    • DOI

      10.3892/ijmm.2012.1220

    • 査読あり
  • [学会発表] 間葉系幹細胞と造血系幹細胞の併用による骨組織再生療法の試み

    • 著者名/発表者名
      松野美乃
    • 学会等名
      日本創傷治癒学会
    • 発表場所
      かでる2・7(札幌市)

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公開日: 2014-07-24  

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