研究課題/領域番号 |
24593072
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 嘉晃 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (00250465)
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研究分担者 |
日下部 豊寿 北海道大学, 大学病院, 助教 (80322824)
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キーワード | 矯正力による歯の移動 / 糖尿病 / 歯槽骨 / 破骨細胞 / 持続力 |
研究概要 |
平成24年度に得られたCT像を用いて、三次元解析を行った。さらに、矯正力を加えた際の糖尿病ラットの破骨細胞、骨芽細胞、血管の動態を、組織学的な検討を行った。24年度と同様の荷重条件として追加の実験を行った。同様に7日間の実験終了後、上顎骨を切り出しEDTAによる脱灰後,パラフィン包埋し咬合平面に平行に厚さ5μmの連続切片を作製した。もっとも糖尿病に対する動態が不明である破骨細胞については、TRAP染色による細胞数のカウントを行い、現在検証中である。なお、応力と破骨細胞数との比較は2次元レベルではあるが、確立している三次元展開する際の組織切片の統合が課題となる。現時点での予測としては、強い荷重条件下では、歯槽骨内深部にみられる骨髄腔に破骨細胞が有意に多数出現すると考えている。これにより、歯槽骨の吸収がおもにどちらの効果で引き 起こされたのか、あるいは荷重条件によってどのように変わるのかを検討する。現時点は、糖尿病ラットにおいては、歯頚部の歯槽骨の異常な吸収が認められたが、これに加えて、歯根尖におよぶ歯槽骨の崩壊が3次元的に観察された。なお、本法では、ラトックシステムエンジニアリング社製のソフトを用い、歯の移動期間中に変化のない歯を重ね合わせることで、周囲歯槽骨の吸収度合いが同一個体において観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
三次元有限要素解析においては、予算の関係上なしえない部分があるものの、その他については概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、三次元の構築がほぼ完了しているので、予算が許せば、有限要素解析を行う予定である。これが可能であれば、実際に矯正力を加える前の状態からくらべて矯正力を加えた後の状態を予測することが可能になると考える。また、一方、組織切片においては、破骨細胞のカウントに加え、血管の分布についても検討を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年は年度末に予定していた、ラトックシステムでの三次元構築関連費用が時間の都合で達成されなかったために生じた。最終年度6月にはこれを行う予定である。 6月にラトックシステムにおいて、三次元構築を行う予定である。
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