アストロサイトとグリア細胞の歯の移動時の変化の分析結果として、ラット三叉神経脊髄路核において、3日後より増加、5日後に最も著しい増加を認め、14日後に元の状態に戻った。次に、痛みマーカーであるc-fos蛋白とこれらの細胞との共存を認めた細胞は、5日後に尾側亜核および吻側亜核に増加した。以上より歯の移動時の遅発性の痛みの伝達、調節にこれらの細胞の関与が示唆された。次に、CO2レーザー照射を行うと、歯の移動1~3日後に増加したc-fos蛋白は抑制したが、アストロサイトとグリア細胞の減少は認めなかった。以上より、レーザー照射による鎮痛効果は主に即効性の痛みに関与することが示唆された。
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