研究課題/領域番号 |
24593077
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
五十嵐 薫 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70202851)
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研究分担者 |
金高 弘恭 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50292222)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 口唇閉鎖機能 / 口唇裂口蓋裂 |
研究概要 |
口唇閉鎖機能は、正常な摂食嚥下を行う際に口腔内の陰圧を保つ上で重要な要因となっているだけでなく、構音や歯列形態にも影響を与えると考えられている。一方、口唇裂口蓋裂患者は、口唇に裂を有するため口輪筋の連続性が損なわれてしまっている場合も多く、口唇閉鎖機能に問題を有する患者も少なくないといわれている。そこで本研究では、まず第一に、口唇裂口蓋裂患者の口唇閉鎖機能をより詳細に評価するため、バルーン式口唇圧測定器、口唇運動解析装置を新しく開発し、加えて、口唇閉鎖機能に特化した筋電測定条件の最適化を行う。次に、これらの装置を利用して口唇裂口蓋裂患者の口唇閉鎖機能を統合的に評価するとともに、チュ-イングガム法による咀嚼能力評価、および言語聴覚士による構音評価を併せて行うことで、患者全体に共通して認められる機能的問題点の特徴を明らかにすることを目的とする。 当該年度には、既に臨床で利用されているバルーン式圧力計を応用し口唇裂口蓋裂患者に対して口唇圧測定を行った。さらに、光学式モーションキャプチャシステムを改良し、直径3mmの小型赤外線反射マーカを20点同時計測可能な新しい口唇運動解析装置の開発を行い、正常動作を確認した。また、筋電計を用いた口唇閉鎖機能評価に特化した筋電測定条件については、最適化の検討を行っているところである。加えて、次年度に向けた準備として、健常者を用いて、新しい機能評価方法による予備実験を開始し、新しい評価方法の問題点を抽出し、測定器の設計段階まで結果をフィードバックした改善を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の目的を実現するために、当該年度は、①バルーン式圧力計を応用した口唇圧測定②口唇運動解析装置の開発③筋電計を用いた口唇閉鎖機能評価を行う予定であった。①、②については、ほぼ目的を達成したが、③については、口腔周囲筋の筋電測定条件の最適化にやや時間がかかってしまっており、最適化条件の決定には至っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度にやり残した課題である筋電計を用いた口唇閉鎖機能評価に特化した筋電測定条件の最適化については早急に解決する予定である。口唇圧、口唇運動、口腔周囲筋筋電図測定の装置および測定条件が整い次第、今年度には、健常ボランティアを用いて新しい機能評価方法の安全性、確実性を確認した後、実際に口唇裂口蓋裂患者に対しての測定を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度に実験が完了予定であった、口腔周囲筋の筋電測定条件の最適化にやや時間がかかってしまっているため、年度内に最適化条件を決定することができなかった。そのため本件については、次年度にも継続して実験を行う必要があり、筋電測定に関わる消耗品(ディスポーザブル電極など)の購入に繰り越した研究費を使用する予定である。
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