研究課題/領域番号 |
24593081
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小海 暁 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50431937)
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研究分担者 |
米満 郁男 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00431940)
小野 卓史 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30221857)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 鼻呼吸障害 / 鼻閉 / 口呼吸 / 電気生理学 / 反射 / 体性感覚 / 舌 |
研究実績の概要 |
鼻呼吸障害・口呼吸は、鼻咽腔疾患や鼻閉などにより生じる鼻気道障害の一つであり、高次脳機能、顎顔面領域の形態形成へ影響を与えることが示唆されている。口腔感覚は、咀嚼運動のパタンおよび咬合力への調節に重要な役割を果たし、口腔感覚情報をもとに運動の計画、実行を行う。末梢機能、末梢機能を制御する大脳皮質一次運動野は環境変化によって機能的な再編成をおこすことが知られている。そこで本研究は、鼻閉により口呼吸状態にしたラットを実験動物とし、口呼吸における末梢感覚受容器応答特性の変性および大脳皮質一次体性感覚野、一次運動野の可塑性を解明し、末梢感覚受容と中枢神経活動の関連性について検討することを目的としている。
本年度は、初年度、前年度に評価を行った鼻閉モデルラットを実験動物とし、前年度おこなった鼻閉モデルの酸素飽和度評価を指標とし、呼吸機能成熟後からの鼻閉群と離乳時からの鼻閉群とで比較検討を行い、成長期の異なった時期による鼻呼吸障害が顎口腔系の反射調節機構に与える影響を検討した。開口反射と舌筋の応答特性を指標として用いた。結果として、呼吸機能成熟後からの鼻閉は、離乳時からの鼻閉と比較して開口反射の応答特性を著しく変化させることが明らかとなった。本研究より、呼吸機能成熟後の鼻呼吸障害は顎口腔系に多大な影響を与えることにより、早期に鼻呼吸障害を改善させること、呼吸機能成熟後は鼻閉に対する処置が重要であることが開口反射を指標とした反射調節機構の評価より示唆された。呼吸機能の成熟が舌筋の応答特性に与える影響および舌筋の組成変化については現在検討中である。
また、成長期における大脳皮質一次運動野の口腔領域に関する機能局在の変化については、成長に伴い局在が変化することが明らかとなった。現在、鼻閉によりその局在の変化がどのような影響を受けるかについても検討を開始している。
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