本研究では、早期低体重児出産を経験した母親を対象に歯周状態を評価し、早期低体重児出産と歯周病の関連性を疫学的に調査した。また、唾液中の歯周病原細菌の分布を分子生物学的手法によって検討したところ、低体重児出産群における検出総菌数は0~8菌種であり、その平均は4.67菌種であった。各菌種別の比較では、低体重児出産群においてPorphyromonas gingivalisの検出率が対照群よりも高い値を示した。想定よりも分析対象者数が少なかったため、早期低体重児出産を経験した母親における歯周病原性細菌分布の特異性を現段階で明確にできていないが、今後さらに分析対象数を増やした解析を行う予定である。
|