研究課題/領域番号 |
24593090
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
菅原 康代 岡山大学, 大学病院, 講師 (70379775)
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研究分担者 |
村上 隆 岡山大学, 大学病院, 助教 (00534786)
石原 嘉人 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70549881) [辞退]
住吉 久美 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80625161)
柳田 剛志 岡山大学, 大学病院, 助教 (90534793)
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研究期間 (年度) |
2013-02-01 – 2015-03-31
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キーワード | 骨細胞 |
研究実績の概要 |
骨細胞は骨中で突起によるネットワークを築いている。骨細胞はメカニカルストレスを感知し、骨代謝を制御すると考えられており、重要な細胞である。しかしながら、これまで骨細胞は周囲を硬い骨基質中で覆われているため、その3次元構造を観察することさえ困難であり、骨組織中の骨細胞の突起によるネットワークが本当にメカニカルストレスを感知し、機能が変化するかどうかは解明されておらず不明である。本研究では、骨細胞ネットワークがそのネットワークの形態や機能がメカニカルストレスなどの外的環境変化に対してどのように変化するかを解明することを目的としている。骨組織中の骨細胞、骨芽細胞のアクチン線維を蛍光色素と共焦点レーザー顕微鏡を用いて実験した。その結果、メカニカルストレスが通常通り負荷されたマウスは皮質骨において細胞体および突起の方向も規則正しく配列していたのに対し、メカニカルストレスを軽減させたマウスの骨細胞は細胞体の向きおよび、突起の向きの双方とも不規則な走行になった。また、それぞれの核の形や走行も変化した。また、細胞形態計測値も有為に減少した。また、胎生期の骨細胞ネットワークと出生後メカニカルストレスを負荷したマウスと軽減したマウスにおいての骨細胞ネットワークについても調べた。その結果、出生後どちらのマウスの骨細胞もその形態計測値は増加したが、メカニカルストレスを負荷した方がより大きくなった。また、生きた骨芽細胞と骨細胞の双方にメカニカルストレスをかけ、そのカルシウム動態反応を観察した。その結果、メカニカルストレスをかけた方がより反応は増加した。また、その反応には細胞間コミュニケーションであるギャップジャンクションが密接に関連していることが分かった。このように、骨細胞および骨芽細胞の細胞ネットワークにはメカニカルストレスが重要な役割を果たしており、その機能にも影響を与えていることが分かった。
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