研究課題/領域番号 |
24593095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
五百井 秀樹 九州大学, 大学病院, 講師 (10274474)
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研究分担者 |
城戸 瑞穂 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (60253457)
高橋 一郎 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70241643)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 歯根吸収 / アレルギー / 歯の移動 / OVA / MMP / TIMP |
研究概要 |
アレルギー疾患モデルとして用いられるBrown Norway (BN)ラットに対して卵白アルブミン(OVA)感作を行い、血清中の総IgEおよびOVA特異的IgEの発現が上昇することを確認した。さらに上顎第一臼歯(M1)に対してコイルスプリングによる近心移動を行い、矯正力が約10gであり、実験中に対照群と比較して体重減少が認められないことを確認した。 予備実験後、ラットをOVA投与および矯正力負荷(24時間)群、OVA投与群、矯正力負荷(24時間)群、対照群の4群に分けて実験を行い、M1周囲の組織切片作成および周囲組織のRNA抽出を行った。 組織切片を用いて、MMP-2、MMP-9、MMP-13、TIMP-1、TIMP-2について免疫組織学的解析を行ったところ、歯根膜および周囲歯槽骨において、発現が確認された。 RNAサンプルを用いて、MMP-9、TIMP-1、TIMP-2についてreal-time RT-PCR解析を行った。その結果、TIMP-1については有意に矯正力を負荷した群で発現量の上昇が認められ、MMP-9、TIMP-2でも同様の傾向が認められた。さらに、アスピリン投与により、これら細胞外基質代謝酵素やその阻害剤は顕著に減少する傾向があることを観察した。しかし、矯正力を24時間負荷したモデルでは、OVA投与による影響は認められておらず、今後経時的に解析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組織切片を用いて、MMP-2、MMP-9、MMP-13、TIMP-1、TIMP-2について免疫組織学的解析を行ったところ、歯根膜および周囲歯槽骨において、発現が確認された。また、矯正力付加を行った群において,24時間後におけるMMP-9, TIMP-1およびTIMP-2のmRNA発現量の有意な増加を観察した。また、アスピリン投与によって、これらの産生量が顕著に減少する傾向を観察し、矯正的歯の移動時における細胞外基質代謝酵素とその阻害剤の関連性を示すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの観察は、予備的観察として矯正力を付与後24時間におけるMMP-9, TIMP-1およびTIMP-2のmRNA発現量を測定した。しかしながら、これらの代謝酵素は、矯正力付与後、4日から7日にかけて顕著な増加傾向を示し、その後14日にかけて徐々に減少する傾向のあることを示した報告があることより、今後は実験の計画を14日まで延長し、MMP-2, MMP-9, MMP-13, TIMP-1, TIMP-2などの変化を詳細に検討する。また、抗アレルギー薬であるロイコトリエン拮抗薬を投与し、これらの物質のみならず、炎症性サイトカイン産生量を定量化し、歯根吸収抑制効果を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
各種実験器具、実験動物購入および免疫組織学的解析、さらには定量的RT-PCRおよびELISA法による炎症性サイトカイン産生量測定のための試薬購入を予定している。また、矯正力としてNi-Tiコイルスプリングを使用するが、特別に製作された非常に弱い力を発揮する材料の購入を予定している。また、研究成果を国内外で発表することも考慮すているため、旅費としても使用する計画である。
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