研究課題/領域番号 |
24593098
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中尾 紀子 長崎大学, 大学病院, 助教 (20333578)
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研究分担者 |
渡邊 郁哉 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00274671)
田中 基大 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90420629)
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キーワード | 歯科矯正学 |
研究概要 |
本年度は、ALD法によるAL2O3、TiO2ならびにSiO2原子層堆積成膜(3種類)を矯正用アーチワイヤ-2種類(ニッケルチタン・ステンレス)へ行い、表面性状の観察を行った。さらにワイヤーとブラケット間の摩擦測定を行った。 1.ALD法にてAL2O3、TiO2ならびにSiO2原子層堆積成膜した矯正用アーチワイヤ-の作成。矯正歯科で使用される既製のニッケルチタンおよびステンレスワイヤー(サイズ0.019”×0.025”)をALD法にてAL2O3、TiO2ならびにSiO2原子層堆積成膜した。AL2O3原子層堆積成膜の膜厚36.7nmでは金色、膜厚72.0nmでは青色を呈した。TiO2原子層堆積成膜の膜厚250.0nm、成膜温度200℃では金色、膜厚250.0nm、成膜温度300℃では緑色(ニッケルチタン)・紫色(ステンレス)を呈した。SiO2原子層堆積成膜の膜厚100.0nm、170.0nm、300.0nmではいずれも青味がかった銀色を呈した。 2.成膜した矯正用アーチワイヤ-の表面性状の観察。顕微鏡下で市販のepoxyコーティングワイヤーとの表面粗さを比較検討した。TiO2、SiO2原子層堆積成膜の表面粗さは変化無くepoxyコーティングでは粗くなった。 3.成膜した矯正用アーチワイヤーとブラケット間の摩擦測定。成膜したワイヤー、他のコーティング法によるワイヤー、未処理のワイヤーとセラミックブラケット間の摩擦測定を行った。epoxyコーティングでは未処理と比較し摩擦力が1.3倍となったが、ALD法にて成膜したワイヤーでは未処理とほぼ同程度の結果となり成膜の影響が少ないことがわかった。 ALD法による成膜は膜厚を薄くすることが可能で、成膜温度が低温なため、金属材料本来の機能性を維持することが可能と考えられる。本研究ではこのALD法を利用して新規ハイブリッド矯正材料の開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究ではALD法を利用して新規ハイブリッド矯正材料の開発を行った。 ALD法にてAL2O3、TiO2ならびにSiO2原子層堆積成膜した矯正用アーチワイヤ-を作成し、膜厚と色の評価を行った。さらにワイヤーの表面性状の観察、セラミックブラケットとの摩擦測定により機能性の評価を行い、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
ALD法にてAL2O3、TiO2ならびにSiO2原子層堆積成膜した矯正用アーチワイヤ-を作成し、機械的性質を検討していく。成膜の十分な膜着強度と金属色遮断性(歯冠色調白色性)を持つ最適な成膜条件を設定する。下地コーティングしたワイヤーにALD法にて薄膜コートしたワイヤーの試作を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
継続のため端数調整なく繰り越しとした。 継続のため端数調整なく繰り越しとした。
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