研究課題/領域番号 |
24593099
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
吉松 昌子 長崎大学, 大学病院, 助教 (20420630)
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研究分担者 |
北浦 英樹 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (60295087)
佛坂 斉祉 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (90199513)
藤村 裕治 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70448504)
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キーワード | SHIP / TNF-α / 破骨細胞 / 矯正 |
研究概要 |
SHIPは生体の骨量維持のために重要な役割を果たすと言われているが、いまだ不明な点が多い。その骨代謝に対する効果についてSHIPノックアウトマウスを使用して検討をしている。 マウス大腿骨より骨髄細胞を採取してTNF-αを作用させながら培養したTNF-α誘導破骨細胞形成において、コントロールと比較してSHIPノックアウトマウスの方が破骨細胞形成を促進することを確認した。このことによりSHIPはTNF-α誘導破骨細胞形成を抑制している可能性が示唆された。 in vivoにおいてもTNF-α誘導破骨細胞形成について検討を行った。マウスの上顎に歯の移動装置を装着して第一臼歯を近心移動し、その周囲組織の組織化学的検討を行った。その結果、SHIPノックアウトマウスにおいて第一臼歯歯根圧迫側における破骨細胞形成量が多くなり、第一臼歯近心移動量はコントロールと比較して大きくなると予測したが、in vitroの結果とは異なり、有位な差は認められなかった。今後、マウス頭蓋縫合部にTNF-αを投与することで破骨細胞形成を誘導し、その様相についての検討をさらに行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年と来年度はマウス頭蓋縫合部におけるTNF-α誘導破骨細胞形成を組織学的に観察しコントロールと比較する計画としており、現在検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
SHIPノックアウトマウスを使用して頭蓋縫合部における破骨細胞形成についてコントロールとの比較検討を進める。また、in vitroにおいては、マウス大腿骨より骨髄細胞を採取しTNF-αを作用させながら培養後ウェスタンブロット法によりc-Src、Jak2、PI3K、Akt、NIK、JNK、p38MAPKのタンパクレベルでの発現を経時的に比較検討しSHIP標的分子の探索を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度のin vivoの研究においての結果を確認するため同様の実験を繰り返しており、予定していたin vitroのSHIPの関わるTNF-α誘導破骨細胞形成過程のシグナル伝達に関与する因子のスクリーニングまで至らなかったため。 平成26年度はマウス頭蓋縫合部におけるTNF-α誘導破骨細胞形成様相の解析とマウス大腿骨骨髄細胞培養でのTNF-α誘導破骨細胞形成過程シグナル伝達に関与する因子のスクリーニングについて解析を行うため、試薬・抗体類購入、調査発表旅費、ノックアウトマウスジェノタイピング費、その他として使用予定である。
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