研究課題/領域番号 |
24593101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
吉田 真穂 宮崎大学, 医学部, 医員 (10535785)
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研究分担者 |
吉岡 泉 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10305823)
永田 順子 宮崎大学, 医学部, 講師 (50264429)
野村 かおり 宮崎大学, 医学部, 医員 (60626141)
松元 信弘 宮崎大学, 医学部, 助教 (70418838)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 外科的矯正治療 / 顎変形症 / 顎口腔機能 / 上部消化管機能 / 自律神経活動 |
研究概要 |
顎変形症患者では、正常咬合者に比べて咀嚼や発音などの口腔周囲機能が劣り、外科的矯正治療で咬合を改善すると、咬合力や咀嚼効率などの顎口腔機能が向上することが知られている。同様に、上部消化管や内分泌・自律神経の機能にも何らかの障碍が及んでいる可能性が考えられるが、ほとんど調べられていない。そこで、本研究では、骨格性の不正を呈する下顎前突症患者および小下顎症患者(顎変形症群)と正常咬合者(正常咬合群)を対象に、横断的検討と縦断的比較検討を行い、外科的矯正治療が上部消化管および全身の健康に及ぼす影響を検討する事を目的とした。 本年度は、宮崎大学附属病院歯科口腔外科で骨格性下顎前突症および小下顎症と診断された顎変形症患者8名と、正常咬合を呈するボランティア成人15名を対象とした。被験者全員に対して、宮崎大学病院倫理委員会で承認された同意書を用いて説明と同意を得た。 顎顔面の形態検査(咬合模型、パノラマX線写真、頭部X線規格写真)、顎口腔機能検査(咬合力、咬合接触面積、咀嚼能率、唾液流出量)、心身医学的検査、血液検査、上部消化管機能検査および終夜睡眠ポリグラフ検査を行った。 著しい顎変形症患者では、顎顔面形態が標準値から大きく外れており、正常咬合者に比べて咬合力と咬合接触面積、咀嚼能率が低く、これまでの報告と一致していた。また、著しい顎変形症患者では、一晩の睡眠中における睡眠深度の変化、交感神経・副交感神経活動のバランス、および上部消化管の活動リズムが不安定で、消化管機能が低い傾向が示唆された。 本結果から、とくに顎顔面形態に大きな変形を呈する顎変形症患者では、顎口腔機能だけでなく、消化管、自律神経および睡眠にも影響があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、顎変形症患者と正常咬合者を対象にデータ採取を行い、解析結果から、とくに顎顔面形態に大きな変形を呈する顎変形症患者では、顎口腔機能だけでなく、消化管、自律神経および睡眠にも影響があることが示唆されている。
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今後の研究の推進方策 |
顎変形症患者(下顎前突症、小下顎症)について、データ採得を進めるとともに、平成24年度に採得したデータと合わせてさらに詳細なデータ分析を行う。 また、平成24年度に術前のデータ採得を行った顎変形症群の被験者に対して、術後のデータを採得し、術前のデータと比較する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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