研究課題/領域番号 |
24593103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
八木 孝和 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10346166)
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研究分担者 |
植田 紘貴 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10583445)
上村 裕希 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50464467)
乾 明夫 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80168418)
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80295807)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 咀嚼筋活動 / 酸刺激 / モルモット / 受容体 / 脳ー腸相関 |
研究概要 |
本年度は、胃及び食道に挿入されたカテーテルから酸を中心とした薬物を投与し、電気生理学的手法を用いて解析することを目的とした。そのために脳波・眼電図・心電図および筋電図(咀嚼筋と僧帽筋又は広背筋)電極をモルモットに装着し、薬物投与用カテーテルを鼻から食道内部に留置した。計測は、術後1週間後から開始し、化学薬物刺激は、挿入したカテーテルから各群の食道・胃噴門部に行った。投与前後の各種活動を計測用コンピュータとビデオカメラによる行動観察およびオーディオモニターによる歯ぎしり音で記録した。各種データ解析は解析用ソフトウェア(sleep sign:キッセイコムテック)を用いて自律神経活動や口腔の異常筋活動量のトレンド解析を行った。その結果、生理食塩水と比較して、酸による刺激では、咀嚼筋の筋活動量が増加していた。一方で、生理食塩水の投与でも筋活動量が上昇を示す群が存在し、蒸留水では有意な活動を示さなかった。また、先行研究で行ってきた、ラットによる実験でも、酸投与で咀嚼筋の活動が示されており、酸に関与する一部の受容体遺伝子の発現が、観察された。以上より、酸の胃食道部分への暴露に起因する咀嚼筋活動は、齧歯類とヒトで認められる生理学的挙動の可能性が示唆され、その受容器の候補として、酸感受性受容体が期待される。しかし、さらに受容体レベルで、他の遺伝子の発現状態や活性化を詳細に調べることやアンタゴニストによる実験が必要である。また、自発的な胃酸の分泌と異なり、酸刺激や生理食塩水の投与刺激に対する内臓へのストレス刺激が上記の活動に関与することも疑われるため、自律神経系の活動や脳波レベルでの生理学的変化についても調査する必要性がある。そこで、脳ー腸相関に関与するホルモンやストレスに関与するホルモンの影響に着目し、本年度は、文献的な検索を行い、論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた、モデル動物の作製については行うことができた。ただし、モルモットは気道が狭く、ストレスに弱いため、術後の回復に時間を要する場合が多く、当初予定していた匹数を行うまでには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の研究計画の成果とプロトコールを基に、脳・消化管ペプチドの脳内投与による顎口腔機能への影響と摂食・飲水行動を記録・解析する。次に、腹腔内投与を対象に行い、前年度の消化管粘膜を介した末梢性の反応と併せて中枢性との対比解析を行う。以下に詳細を示す。 1)モデル動物の作製 :モルモットまたはラットを脳定位固定装置に固定し、脳地図に従い、視床下部の側脳室領域へカニューレを留置し、周囲をデンタルセメントで固定する。 2)視床下部の側脳室領域と腹腔内への薬物投与とデータ記録・解析:マイクロインジェクターを用いて、視床下部の側脳室領域域または腹腔内へ脳・消化管ペプチド等(Orexin、CRF等)とCRFレセプターアンタゴニストでCRFの影響を排除した場合や生理食塩水または人工脊髄液(コントロール)を投与し、筋電図や心電図等を記録する。 3)情動関連ペプチド受容体の遺伝子発現レベル測定・解析:記録後、ジエチルエーテルで麻酔を行い、灌流固定し、室房核および孤束核を含む脳領域を摘出し、情動関連ペプチド等およびCRF レセプターの遺伝子発現レベルをreal time PCR 法やウェスタンブロッティング法を用いて分析する。 4)摘出した脳の凍結連続切片を作製し、刺激部位に対するc-fos蛋白の発現を観察する。 5)各種データ解析と評価・総括 :各ソフトウェアを用いて解析し、順次、その評価をまとめて投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は脳内投与実験を本格化するために、脳底固定装置が必要である。モルモットは頭部がラットに比べて大きく、顎運動を直接観察することも必要になる可能性があるため、当初に予定していたとおり、特別な形状の装置を用意する予定である。また、記録用コンピュータが老朽化し、OS(Windows XPのサポート(2014年4月終了)が終了することから、現状の設備では、新しいOSの動作環境が確保できなくなるため、買い換えを行う予定である。その他については、主に物品費に充当する予定である。
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