研究課題/領域番号 |
24593105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
國則 貴玄 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (00626666)
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研究分担者 |
八木 孝和 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10346166)
上村 裕希 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50464467)
友成 博 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70398288)
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80295807)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 歯科矯正用アンカースクリュー / 脱落率 / 安定性 |
研究概要 |
骨内固定源としての矯正用インプラントは、近年、従来のアンカレッジコントロールの概念を覆す絶対的固定源として、世界的に急速に普及してきている。しかし、矯正用インプラントは、脱落率が平均20~30%であることに加え植立部位の制約や歯周組織の損傷など多くの解決すべき課題が残っている。これまでに報告されている脱落因子を理論上全て排除し、植立部位の適応範囲を広げる皮質骨のみに維持を求める新規矯正用インプラントを考案・開発するため、試作品をヒトの皮質骨(2mm~3mm程度)と海面骨と同様の厚み・硬度をもつSimulated Cortical Bone(Sawbone社製)に植立し、引っ張り試験器を用いて試行錯誤を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機械的試験により、新規皮質骨インプラントの最終的なデザインを決定した。今後は動物実験を行い、更なるデータ採得を行う。新規皮質骨インプラントの対照群として、矯正治療を希望し、固定源として矯正用インプラントが必要な患者について、従来型のインプラントを用いてデータ採得中である。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度 ・動物実験で新規皮質骨インプラントと従来型のインプラントの維持力を比較、検討する。 ・新規皮質骨インプラントの対照群として、矯正治療を希望し、固定源として矯正用インプラントが必要な患者について、引き続きデータを採得し、挿入トルク、皮質骨の厚み、脱落率等を評価する。 H26年度 ヒトを対象とした新規皮質骨インプラントの臨床的評価を行う。新規皮質骨インプラントは、H24~ 25年度の実験で成功率が高いこと、破損などの危険性がないことを確認し、問題がある場合はデザインを再検討してから、ヒトに応用する。植立部位は術前パノラマX線所見から歯根間距離の広い部位を選定する。植立方法は、動物実験と同様とする。使用方法は、植立直後から200~300gの矯正力を負荷する。術者の技量による差を排除するため、インプラントの植立は申請者3名が行う。植立後は、局所的にCT撮影を行い、インプラントと歯根との距離を計測する。また、H24~25年度に行った動物実験と臨床実験をまとめ、臨床矯正歯科分野のトップジャーナルに論文を投稿し、さらに学術大会で本研究の成果を発表する。また、新規皮質骨インプラントシステムの特許申請を行い、社会に対して情報を発信し、矯正用インプラント治療学として新たな学術分野を創設する。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物実験で新規皮質骨インプラントと従来型のインプラントの維持力を比較、検討するため、実験動物の購入と飼育、およびそれに植立するインプラントの購入、また、組織解析に必要な蛍光染色用試薬や、マイクロCT撮影を行うためのサンプルブロックが本研究を遂行するうえで必要不可欠であり、これらの費用を消耗品費として計上している。 また、学会での成果発表に必要な旅費、外国語論文の校閲や投稿に必要な費用を計上している。
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