研究課題
アンカースクリューは、歯科矯正治療において歯槽骨に埋入することで固定源として使用するチタン合金製の小さなねじであるが、歯根接触による脱落や、若年者では歯胚などにより埋入部位が制限されるなどの問題があった。本研究では、主に皮質骨に維持力を求めるスクリュー維持力強化補助装置(結合力維持具)付きのアンカースクリューを発明し、従来のアンカースクリューに比べて維持力が3-5倍高いことを明らかにした。これにより、長径を従来のアンカースクリューより短くすることで、埋入に際して特殊な技術が不要で、かつ歯根への接触がほとんど起こらず、成功率と安全性が飛躍的に向上する可能性や、適応症例が拡大する可能性が示唆された。また、本研究内容をまとめた論文(Development of a novel spike-like auxiliary skeletal anchorage device to enhance miniscrew stability)をAmerican Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedicsに投稿し、2015年2月25日に受理された。さらに、この維持力強化補助装置に付与し自由に曲げられるアーム(歯科矯正用支持体)を考案した。これにより、歯を動かすための固定源を3次元的に自由に決定できることが示唆された。本発明について、2013年12月9日に国際特許として出願した「スクリューの結合力維持具及び結合力維持具付きスクリュー」が、2014年6月12日に公開された。また、2014年10月17日に「スクリューの結合力維持具及び歯科矯正用支持体」を国内特許として出願した。
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American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics
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