研究課題/領域番号 |
24593115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
後藤 滋巳 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60142577)
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研究分担者 |
宮澤 健 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60301636)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 歯学 / 矯正学 / 歯周病 / 破骨細胞 / 病理学 |
研究概要 |
本研究では、特異的な破骨細胞機能の抑制によって、歯の移動の自由なコントロールと、矯正治療前・中・後における、歯周病罹患歯における骨吸収の進行抑制を可能とするシステムの構築を目的としている。本年度は、まず、研究に用いる破骨細胞に作用する薬剤の選択を行った。骨代謝に関与し、破骨細胞に直接的または間接的に作用する様々な薬剤のうち、リベロマイシンAとビスホスホネートを選択することとし、マウスの歯の移動に対する有効な濃度の選定を行った。また、マウスに対してコイルスプリングを用いた持続的矯正力を付与できる歯の移動モデルの確立を試みている。しかし、マウスの口腔内は非常に狭小であるため、試行錯誤を繰り返している。 さらに、現在のヒトにおける矯正治療では、ヘッドギアの使用や矯正用アンカースクリューなどの植立によって歯の移動のコントロールが行われているのが現状である。今後、新たな矯正治療の展開として、薬剤にて歯の移動を自由にコントロールすることを本研究の大きな目的としている。その一方で、実際にヒトにおいて効率的な歯の移動にはどのような方法があるのか検討することが必要である。そこで、矯正用アンカースクリューを用いて矯正治療を行い、治療が終了した症例を収集し、治療前後の比較を行う事によって、矯正治療を効率的に行うには何が重要なのかの検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、本研究に用いる薬剤のうち、破骨細胞に直接的に作用するリベロマイシンAとビスホスホネートの入手を行う事ができた。また、マウスの歯の移動に対する有効な濃度を決定し、今後、改良は必要ではあるが、実際にマウスに対してコイルスプリングを装着し、持続的矯正力を付与することができた。 さらに、ヒトにおいて矯正用アンカースクリューを用いて矯正治療を行い、治療が終了した症例を収集し、治療前後の比較を行う事によって、矯正治療を効率的に行うには何が重要なのかの検討を行い、現在、データーを解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まず矯正用アンカースクリューを用いた症例の分析結果をまとめ、論文作成を行う。 また、コイルスプリングをマウスの口腔内に装着し、持続的矯正力を付与するモデルの確立を行う。さらには、リベロマイシンAやビスホスホネートを用いて、歯の移動量や移動スピードをコントロール可能かどうかの実験を行っていく。また、正常マウスのみならず、より薬剤の効果が現れるような病態のマウスを用いての実験も行っていく予定である。具体的には、破骨細胞活性が亢進した病態を示すOPG遺伝子欠損マウスを使用する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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