研究課題/領域番号 |
24593115
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
後藤 滋巳 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60142577)
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研究分担者 |
宮澤 健 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60301636)
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キーワード | 歯学 / 矯正学 / 歯周病 / 破骨細胞 / 病理学 |
研究概要 |
本研究では、特異的な破骨細胞機能の抑制によって、歯の移動の自由なコントロールと、矯正治療前・中・後における、歯周病罹患歯における骨吸収の進行抑制を可能とするシステムの構築を目的としている。 本年度はマウスにおける持続的矯正力を付与できる歯の移動モデルの確立を試みた。具体的にはマウスを用い、上顎左右第一臼歯と切歯の間にクローズドコイルを装着し、矯正力の装着期間を変えながら行う実験法を確立した。そして、リベロマイシンAやビスホスホネートを投与して、歯の移動量や移動スピードをコントロール出来るかどうかを確認している。 また、本研究においては、薬剤にて歯の移動を自由にコントロールすることを本研究の大きな目的としているが、実際にヒトにおける効率的な歯の移動方法を検討することも必要である。そこで、歯科矯正用アンカースクリューを用いて矯正治療を行い、治療が終了した症例を収集し、矯正治療を効率的に行うには何が重要なのかを検討している。本年度は、その結果をまとめた論文が掲載された。 さらに、特異的破骨細胞抑制剤(リベロマイシンA)が、歯槽骨吸収を抑制する事が可能かどうかを確認するために、現在、歯槽骨吸収を惹起するモデルの確立を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、実際にマウスに対してコイルスプリングを装着し、持続的矯正力を付与する実験モデルの確立をほぼ行うことができた。そして、リベロマイシンAを投与して、歯の移動量や移動スピードをコントロール出来るかどうかを確認している。 また、実際の矯正臨床において、歯科矯正用アンカースクリューを用いて治療が終了した症例を収集し、治療前後の比較を行うことによって、矯正治療を効率的に行うには何が重要なのかを検討している。その結果は、Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2013 Aug;144(2):238-250.に掲載された。 さらに、現在、マウスにおける歯槽骨吸収モデルの確立を行い、データを解析し、論文作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、これまでに引き続き、確立した歯の移動方法に基づいて、コイルスプリングをマウスの口腔内に装着し、持続的矯正力を付与する実験を行う。薬剤としては、リベロマイシンAを用いて、歯の移動量や移動スピードをコントロール可能かどうかの実験を行っていく。具体的には、μCTなどでの移動距離の評価、切片による組織学的観察、血液学的評価を行う予定である。また、正常マウスのみならず、より薬剤の効果が現れるような病態のマウスを用いての実験も引き続き行っていく予定である。 さらに、歯周病モデルの確立について、論文投稿をおこなう予定である。
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