口蓋裂発症のメカニズムの一端を解明することを目的として、胎児マウスの口蓋形成について組織学的に解析を行った。口蓋は、左右の口蓋突起が正中部で接触することで形成されるが、この癒合上皮消失プロセスを硬口蓋と軟口蓋の前後で比較した。癒合上皮の消失にに必須である、TGF-betaシグナルは、口蓋前後で異なる細胞内シグナル経路を活性化していることがわかった。さらに癒合時の上皮消失(基底膜の変化)に伴って、口蓋間葉に発現してくるTenascin C は、TGF-betaシグナルに制御されていること、また口蓋前後でその制御に違いがあることが示唆された。
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