歯周病は慢性炎症による歯周組織の破壊を特徴とする疾患である。本研究では歯根膜幹細胞(PDLSC)から得られる因子が歯周組織の再生を促すか否かを検討した。ラット歯周組織欠損を作製しコントロール液性因子、PDLSC液性因子(PDLSC-CM)および線維芽細胞液性因子を欠損内へ移植した。術後4週でPDLSC-CM移植は他の二群に比べて有意な歯槽骨の新生を示した。プロテインアレーの結果、PDLSC-CM中には多くの血管新生関連タンパク、成長因子、サイトカインが検出された。さらに再生中の歯周組織ではPDLSC-CM移植によりTNFaの発現が抑制されており、免疫反応の抑制と再生の関係が示唆された。
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