研究課題/領域番号 |
24593118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小田 茂 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 准教授 (70160869)
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研究分担者 |
小林 宏明 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50396967)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ヒト歯根膜細胞 / ナノゲル |
研究概要 |
歯周病という炎症性疾患において骨形成促進因子投与による再生療法は数多く報告されているが、単一での投与がほとんどである。しかし、失った組織を再生させるために重要なのは、再生を促進させるための因子のコンビネーションとその作用するタイミングであると考えられる。近年、当大学生体材料工学研究所により、物理架橋ナノゲルの新しい調整方法が報告された。このナノゲルの最大の特徴は、外界との物資のやりとりが可能な開放系マテリアルとなることである。本研究の目的は、このナノゲルが放出時間を制御可能なキャリアーとして用いられることを検証することであり、その臨床応用の為に基盤作りを目指す。 本年度は、細胞実験を中心に研究を行った。細胞のターゲットとして、歯根膜幹細胞を選択した。動物実験に応用するため、イヌの抜去歯からイヌ歯根膜細胞を回収し、ディスパーゼ処理を行った。希釈して培地に播種し、コロニー形成したものを歯根膜幹細胞として研究に用いた。歯根膜細胞であることの確認として、STRO-1遺伝子発現、CD146遺伝子発現をRT-PCR法にて確認した。このイヌ歯根膜細胞を用いて研究を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞実験は細胞の入手、培養に手間取り、研究が遅れている。現在、イヌ歯根膜細胞の培養が順調に進んでいるため、今後の予定は特に変更しないで良いと考えられる。また、動物実験へのパイロットステディとして、イヌに対して骨補填材を用いた研究を行い、良好な成績を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
歯根膜細胞を用いた細胞実験を引き続き行う。各種刺激因子のコンビネーションで刺激し、最適な刺激条件を模索する。現在までの問題点であった歯根膜細胞であるが、歯根膜細胞を安定的に供給できるようなシステムを構築し、細胞が枯渇しないようにする。また、動物実験に関しても、イヌを使った研究を継続して行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞実験に必要な試薬・消耗品を計上した。試薬はサイトカインを刺激因子として、また、細胞の骨芽細胞分化へのマーカー検索としてRealtime RT-PCR用試薬とRNA抽出試薬を計上した。タンパク発現の確認作業として、精度と定量性を考えELISAキットを計上した。そして、動物実験に関わる費用も計上している。さらに、成果発表、情報収集のための学会出張費を計上した。
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