研究課題/領域番号 |
24593120
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小松 康高 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40422597)
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研究分担者 |
両角 俊哉 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20444151)
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キーワード | 歯周炎 / エルビウムヤグレーザー / 菌血症 |
研究概要 |
歯周炎の治療に必要なスケーリング・ルートプレーニング(SRP)時に発生する、「菌血症」による生体応答反応を、エルビウムヤグレーザーの場合と従来法とで比較解析することを目的に、プロジェクトを実施中である。 新潟大学医歯学総合病院・歯周病診療室を受診し、インフォームドコンセントの得られた全顎的に中等度~重度慢性歯周炎に罹患した20名(レーザー群:10名、ハンド群:10名)の1/4口腔を対象とし,ベースライン時に歯周ポケット内細菌検査,臨床パラメーター評価と採血を行った。各群とも局所浸潤麻酔下にて、対照群は手用スケーラー、レーザー群はEr: YAGレーザー(Erwin AdvErl、モリタ社、PS600Tチップ、パネル設定=100mJ、10pps)各々単独にてSRPを行った。またSRP開始6分後に採血し、菌血症発生頻度について調べた。1ヵ月後、再び歯周ポケット内細菌検査および臨床パラメーター再評価を行なった。 ①両群で、治療後は術前に比較しPPD、CALが有意に減少した。術後のBOP陽性率はレーザー群でのみ、術前に比較して、有意に減少した (P<0.05)。②レーザー群では、術後にP. intermediaが有意に減少した(P=0.02)。また、総細菌数、P. gingivalis, T. forsythia 及びT. denticola は術後に減少傾向が認められた(P<0.1)。一方、ハンド群では、術後P. gingivalis は有意に減少し(P=0.046)、総細菌数は減少傾向が認められた(P=0.06)。③SRP術中の菌血症頻度はハンド群80%に対し、レーザー群は0%であり、2群間で有意差が認められた(P=0.0003)。④ ハンド群において、検出された主な細菌は、Streptococusであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象者の条件を満たしていて、かつ同意を得られた患者の確保が予想以上に困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後もN数の確保が困難なことが予想される。従ってまず、検体採取に関しては、申請書に記載した通り、またH25年度同様に幅広く行い、統計処理により群間の年齢、喫煙などの影響を考慮する。また、当初3郡比較:①ハンドスケーラー群 ②抗菌薬併用群 ③エルビウムヤグレーザー群 を検討していたが、N数の関係から、②を除外し、対象を①と③にし、解析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の予定よりも対象者のN数の確保ができなかったために、解析が進まなかった。また、それに伴い、学会(国内、国外)での成果報告発表もできなかった。 H26年度は検体の確保と各種検査項目の解析と統計処理、まとめを行う予定である。それらを遂行するにあたっての、消耗品、外注解析代、統計処理に際してのソフトウエア購入などを中心に、研究費を使用する予定である。また、研究最終年度にあたり、国内、国外学会で成果報告発表を予定している。
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