研究課題/領域番号 |
24593123
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤田 剛 広島大学, 病院(歯), 講師 (80379883)
|
研究分担者 |
松田 真司 広島大学, 病院(歯), 病院助教 (30611321)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | イルソグラジンマレイン酸 / アポトーシスシグナル / 歯肉上皮細胞 / 歯周病予防 |
研究概要 |
これまでの報告から,胃粘膜防護薬であるイルソグラジンマレイン酸がラット歯肉炎症モデルにおいて,歯周病原性細菌Aggregatibacter actinomycetemcomitans存在下の歯肉上皮細胞が産生するIL-8の発現を抑制し,また上皮細胞間の細胞間接着因子の発現を制御することで細胞間バリアー機能の低下を回復し,炎症を制御することを報告してきた。このことから,イルソグラジンマレイン酸は歯周病の予防薬としての可能性が考えられる。本研究では,イルソグラジンマレイン酸の分子制御メカニズムを解明することを目的とした。 イルソグラジンマレイン酸はA. actinomycetemcomitans存在下の歯肉上皮細胞が産生するICAM-1, MMP-3, IL-6などの炎症関連因子の発現誘導を抑制することをin vitro, あるいはin vivoで示した。 また,さらなるIMの制御メカニズムの解析をすることを目的とし,SMAD2シグナルに着目した。まず,A. actinomycetemcomitans刺激はcaspase-3発現とTUNEL assay からアポトーシスを誘導することが確認された。さらに,SMAD2リン酸化,アポトーシス関連遺伝子について解析を行ったところ,A. actinomycetemcomitans刺激はSMAD2リン酸化を促進,抗アポトーシス遺伝子は減少,アポトーシス促進遺伝子は増加することが確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備実験によって予想された結果通り,細菌刺激によるアポトーシスの誘導,およびそれらの系を確立することができた。今後,これらの系を利用して更なる解析を行っていく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き,in vivoを用いた系での確認を行うとともに,イルソグラジンマレイン酸の影響についても検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
概ね当初の計画通り,研究を遂行していく予定である。
|