研究課題/領域番号 |
24593127
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
原 宜興 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60159100)
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研究分担者 |
金子 高士 長崎大学, 大学病院, 講師 (10284697)
鵜飼 孝 長崎大学, 大学病院, 講師 (20295091)
吉永 泰周 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60452869)
吉村 篤利 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70253680)
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キーワード | インプラント / 歯周炎 / 免疫複合体 / 実験病理学的研究 |
研究概要 |
あらかじめ小サイズのインプラントをラット上顎の片顎に植立しておき、安定した時期にラットをE. coli LPSを抗原として感作し、天然歯の歯肉溝とインプラント周囲溝にLPSを滴下する。これにより最終的に抗原の相違、すなわちそれぞれの抗原の有する生物学的活性、抗原と特異抗体とで形成される免疫複合体の存在が、歯周組織とインプラント周囲組織破壊にどのように関連するのかを明らかにする。 E. coli LPS、PGNならびにグラム陽性菌PGNによるインプラント周囲組織破壊 ラットの右上顎第一臼歯を抜歯後、抜歯窩に小サイズ(長さ0.8mm、直径0.2mm)のインプラント体を植立した。そしてインプラント植立12週後に、P. gingivalis、A. actinomycetemcomitans、F. nucleatumおよびS. aureusから精製したLPSまたはPGN(S. aureusはPGNのみ)とFreundのcomplete adjuvantの混合物で一次免疫を行い、その4週間後にLPSまたはPGNとFreundのincomplete adjuvant混合物で二次免疫を行った。 二次免疫と同時に(インプラント植立後16週)麻酔下で、それぞれ抗原としたLPSを30分間、1日1回ラットの上顎右第一臼歯相当の口蓋側インプラント周囲溝と上顎左第一臼歯口蓋側歯肉溝に塗布し、これを24時間毎に10、20、30日間連続して行った。現在切片を作製中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に問題は出現しておらず、今後えられる病理組織学的所見を総括する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
塗布部位を採取し、上顎第一臼歯を脱灰後、ABC法に準じてパラフィン切片を作製する。インプラントを植立した右第一臼歯部は脱灰後、インプラントを機械的に除去し、同様にABC法に準じてパラフィン切片を作製する。両者はHE染色し、アタッチメントロスの幅、歯槽骨吸収の程度を組織形態学的に測定し、比較する。また免疫複合体の証明のためC1qBを、骨吸収に密接な関連を有するRANKLを発現している細胞を免疫組織学的に同定するとともに、破骨細胞の確認のためTrAP染色も合わせて行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
免疫組織学研究に使用する抗体の購入が26年度にずれ込んだため、次年度使用額が生じたが、今年度に使用する予定である。 24、5年度に使用する予定であった免疫組織学研究のための抗体購入にほとんどが充てられる予定である。
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