本研究では,歯肉溝滲出液(GCF)について多種のサイトカイン量を同時に定量し,治療反応性と関連するGCFプロファイルを明らかにすることを目的とした。慢性歯周炎患者10名を被験者とし,プロービング深さが4 mm以上の部位を1部位選択しGCFを採取した。浸潤麻酔下でSRPを行い,1週間後に再度,GCFを採取した。採取したGCFは抗体アレイメンブレンと反応させ,生じた化学発光を画像解析しGCF中のサイトカイン量を決定した。SRP前後で測定キットで測定可能な40種のうち主に5種類(IL-1α,IL-8,IL-16,RANTES,TNF-β)のサイトカイン量が変化していることが明らかになった。
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