研究課題/領域番号 |
24593132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
小出 雅則 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (10367617)
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研究分担者 |
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00360222)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 歯学 / 免疫学 / 応用動物 / 炎症性歯周病モデル / トランスレーショナルリサーチ |
研究概要 |
歯周病は細菌感染による慢性炎症疾患である。しかし,病態は複雑であり解明は十分でない。その理由は,細菌や宿主に関わる多様な因子が関与するためである。宿主の慢性的な炎症反応により歯周組織破壊および歯槽骨吸収が起こる。しかし,炎症反応が歯槽骨吸収にどの程度関与するかは明確でない。歯周病の治療を進歩させるために生体側の病態の解明が重要である。 本研究の目的は,(1)病態を反映した歯周病モデルの確立を目指して,炎症性の細胞内伝達因子であるMAPKが恒常的に活性化しているMAPK phosphatase-1 (MAPK不活性化因子, MKP-1) 遺伝子欠損マウスと骨吸収が亢進したOPG遺伝子欠損マウスを交配して新規の炎症性歯周病モデルの作製を試みる。(2)(1)を用いて,歯周病に対する炎症性遺伝子の役割を生体レベルで解明する。(3)炎症性歯周病モデルに抗炎症薬または骨吸収抑制薬を投与して評価することである。 (実験内容) 新規炎症性歯周病モデルの作製:MAPKを恒常的に発現するMKP-1遺伝子欠損とOPG遺伝子の二重欠損マウスを作製する。A) MKP-1及びOPG遺伝子欠損マウスを交配する。B) これら,MKP-1・OPG遺伝子二重欠損マウス及びMKP-1・OPG遺伝子へテロ二重欠損マウスの歯槽骨をマイクロCTで撮影する。評価項目は,ヒトと同様にセメントエナメル境から歯槽骨頂までの距離を歯槽骨吸収量として測定する。 (結果)MKP-1・OPG遺伝子へテロ二重遺伝子改変マウスを得た。このマウスの歯槽骨を解析中である。この解析により,歯槽骨吸収におけるMKPKの影響が明らかにできる。今後,MKP-1・OPGヘテロ欠損二重遺伝子改変マウスに歯周病細菌の接種を行い,その歯槽骨吸収量などを検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的に記載したとおりの実験を行うことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の実験により得られたMKP-1・OPG遺伝子へテロ二重欠損マウスへの歯周病細菌接種による高感度な細菌感染性歯周病モデルの作製 A) MKP-1・OPG遺伝子へテロ二重欠損マウスの口腔に歯周病細菌であるP. gingivalisを接種する。B) 細菌感染後のMKP-1・OPG遺伝子へテロ二重欠損マウスの歯槽骨量をマイクロCTで評価する。歯周組織を組織学的に検討する。これらの評価より,歯周炎の発症における細菌感染や炎症性因子の意義を考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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