研究課題
歯周病病態でのTh17関連免疫応答におけるIL-35の役割を明らかにすることを目的として、歯周病患者および健常者サンプルを用いて検討している.平成25年度は、平成24年度に引き続き、患者および健常者の末梢血を採取し,そこからCD4+T細胞をソーティングし、Th17細胞誘導条件下で培養してきた。その培養上清中のIL-17Aタンパク質産生を調べているが、今後もサンプル数を増やすべく、26年度も継続する必要がある。また、誘導したTh17細胞に対するリコンビナントIL-35(rIL-35)の影響を調べ、以下のような結果を得ている。①誘導したTh17細胞にrIL-35を添加すると、48時間後の培養上清中においてIL-17産生量は添加していないコントロールに比べて有意に減少していた。②Th17誘導条件下にrIL-35を添加した場合でも同様にIL-17産生量は添加していないコントロールに比べて有意に減少していた。③上記①および②の条件でRORa, RORC, T-bet, GATA3のmRNA発現を比較したところ、IL-35添加によりRORaの有意な発現抑制を認めた。また、T-betやGATA3にはあまり影響しないという結果を得ている。
3: やや遅れている
購入したrIL-35の生物活性がほとんど無いという結果が得られたため、生物活性を有するrIL-35商品を検索する必要性が出た。このことに実際かなりの時間を有した。この点は想定外であったが、弱いながらも活性を認めたリコンビナント蛋白製品を見つける事が出来たため、今後も研究を継続する事は可能であると考える。
引き続き平成26年度では、①患者末梢血由来Th17細胞におけるIL-17発現量および産生能の解析(MACSによるTh17細胞分離後,IL-17 secretion assayおよびreal-time PCR解析を行う)(継続)、②患者および健常者の末梢血由来CD4+T細胞から誘導できたTh17細胞のIL-17産生能の解析(MACSによるCD4+T細胞分離後,Th17誘導環境下で4日間培養後、Th17細胞として回収.その後,IL-17 secretion assayを行う)(継続)、③患者末梢血由来Th17細胞に対するrIL-35の影響の解析(MACSによるTh17細胞分離後またはTh17細胞誘導時,rIL-35を添加して培養しcytokine FACSおよびIL-17 ELISAを行う)、④歯周病原性細菌によるIL-17産生T細胞ポピュレーションに及ぼすIL-35の役割の検討(MACSによるCD4+T細胞分離後,Th17誘導環境下で4日間培養後、Th17細胞として回収.その後,抗原提示細胞とPorphyromonas gingivalisあるいはAggregatibacter actinomycetemcomitansと共に培養する.rIL-35を添加し,細胞増殖活性やreal-time PCR解析(IL-17、IL-10、IL-5、IFNγ、RORγt、Foxp3、T-bet、GATA3等)、cytokine FACSを行う)、を出来るだけ急いで行い、その結果を解析し、総合的に評価・考察する計画である.
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