研究課題/領域番号 |
24593136
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
福田 光男 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40156790)
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研究分担者 |
野口 俊英 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50014262)
三谷 章雄 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (50329611)
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キーワード | 細菌叢 / 歯周病 / 口臭 |
研究概要 |
歯周病非罹患者からの採取したサンプルにおける,T-RFLP法による扁桃部の未知の細菌を含めた分画の評価法を確立するため,注目すべき分画の解析を行った.唾液については口臭治療科外来にて,咽頭部については当病院耳鼻科にて口蓋扁桃表層との細菌をサンプリングした.被験者は,研究協力の得られた計18名であった. オーラルクロマによる口臭測定を行い、メチルメルカプタン高値群(n=7)、低値群(n=7)、境界群(n=4)の3群に分類した.T-RFLPによる解析の結果,唾液、咽頭サンプルからDNAを抽出し、末端を蛍光標識したプライマーでのPCRを用いた16SrRNA遺伝子を増幅後、制限酵素にて断片化した。唾液(Ls,Bs,Hs)、咽頭(Lp,Bp,Hp)サンプルの各3群間にて、同一の塩基対数(bp)を持つ断片における蛍光強度のピーク面積/全面積(Peak area ratio:以下R値と表記)の比較検討を行った。 唾液サンプルのRは3群間に有意な差、傾向は認められなかった.咽頭は、HpサンプルがLpサンプルと比較して、201bpでRの値が大きい傾向が認められた(p=0.085).469bpのRの値はHpサンプルではLpサンプルと比較して、有意に小さかった(p=0.007). また,含嗽が,咽頭部の細菌叢へ影響を及ぼすのかどうかを検討するため,平行して研究への同意が得られた口臭患者(メチルメルカプタンが26ppb以上検出された非歯周病患者)を被験者として,10日間のネオステリングリーン含嗽により,唾液,咽頭細菌の細菌叢への影響を調べている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
T-RFLPにて,注目すべき分画からクローニングし,細菌種を同定する予定であったが,技術的に困難であった.また,被験者を使った含嗽の咽頭部への影響を調べる予定で研究を進めているが,基準に合致する口臭を有する患者が少ないこと,また実験スケジュールがタイトで,同意の得られた患者が当初の予定より少なく,50名の予定は26名分しかデータが得られていない.時間をかけ被験者を集めていく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
クローニングによる菌種の同定がうまくいかなかったため,T-RFLP解析を健常者にも増やし,口臭患者との違いの分画をさらに探していくことを検討している.
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次年度の研究費の使用計画 |
含嗽の介入による咽頭部細菌への影響を調べる研究において,被験者数が当初予定していた50名にならず計画が少々遅れているため.また,クローニングが想定外にできなかったことによる. 被験者については,引き続き継続するが,クローニングが困難であったため,T-RFLPの解析をメチルメルカプタンが検出されない健常者群にも拡大し,分画の解析を詳細に行うこととする.
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