研究課題
1.歯科心身症の診断基準の策定; 当科初診患者のデータをもとに歯科心身症の診断基準を策定した。その過程で,高齢者に多く、当科新患の約20%をしめる口腔セネストパチーの評価尺度を本学精神科と共同で作成し、その妥当性を検討しBMC Psychiatryに掲載された。2.臨床統計的検討と診断基準の整合性の検証; 2013年度の当科新患患者の臨床統計的検討を行い、診断基準の整合性について検証を重ねた。さらに昨年度検討した咬合異常感(PBS)の精神科疾患合併率と薬剤反応性について論文にまとめ、J Psychosoma Resに掲載された。この研究結果から、発症の契機における歯科治療の関与の有無によって潜在する精神科疾患の予測因子に成り得ることを明らかにした。また舌痛症の抗うつ薬反応に関与する予測因子を検討した結果、睡眠障害、うつ、不安の関与を明らかにし、日歯心身に論文掲載された。3.治療アルゴリズムの構築; 上記の結果を踏まえ、精神疾患の既往に注意しながらより効果的で安全な薬物療法や治療アルゴリズムを検討した。効果や副作用を重視しながらも医療経済的な側面も勘案し、古典的な三環系抗うつ薬の有用性とドパミン部分作動薬の可能性について明らかにした。4.脳画像研究; 2013年に報告した口腔セネストパチーの脳血流SPECT研究を発展させ、蓄積された症例をうつ病の既往の有無で2群に分け、各々の脳血流パターンを比較検討した。その結果、側頭葉や前頭葉を中心とした広範な脳領域における局所脳血流量の左右差(右優位)は共通していたが、視床のみ左右逆転したパターンであることを明らかにし、BMC Psychiatryに掲載された。また咬合異常感(PBS)についても健常コントロールのデータを蓄積し、より強固なエビデンスの構築を目指している。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (17件) (うち招待講演 6件) 図書 (3件) 備考 (1件)
BMC Psychiatry.
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http://www.tmd.ac.jp/grad/ompm.ompm-J.htm