乳歯う蝕が経年的に減少傾向にある現在、新たな時代の乳歯う蝕のリスク要因を再評価して歯科保健プログラムを開発することを研究の目的とした。そのために、乳歯う蝕予防の時期を「前期(1歳から3歳)」と「後期(3歳以降就学前)」に分けて分析した。その結果、乳歯う蝕予防事業においては、歯科保健行動(授乳と飲食、および保護者の行動)に関する要因を改善するための指導は、従来通り、どちらの時期においても重要である。また、現状のフッ化物応用としては、フッ化物歯面塗布事業の継続に加えてフッ化物配合歯磨剤を使用するよう強調して指導すべきことが示唆された。今後とも定期的な再評価と予防プログラムの開発が必要である。
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