研究課題
基盤研究(C)
肺炎モデルの構築、またその免疫系を判ずるにあたって非感染マウスにおける気道免疫防御系(BALT)及び鼻腔免疫防御系(NALT)のプロファイリングを行った。また誤嚥性肺炎に口腔細菌が強く関与することから舌下腺(SLGs)、顎下腺(SMGs)、腺周囲リンパ組織(PGLNs)および頚部リンパ節(CLNs)も評価した。C57BL/6マウスに対して、OVAを抗原、アジュバントとしてFlt3リガンド発現アデノウイルスを用いて1週間ごと4回舌下免疫を行った。最終免疫から1週間後に抗原特異的な抗体反応をELISA法で調べたところ、唾液や血液で確認することが出来た。フローサイトメーターではPGLNsにIgA(+)B細胞の増加を確認することが出来た。このIgA(+)B細胞のmRNAはスイッチングに関与するAIDなどの増加がみられた。またPGLNsでは樹上細胞、T細胞及びB細胞の増加が見られた。ELISPOT法ではSMGsよりSLGsにおいてIgA抗体産生細胞を確認することが出来た。このことは舌下免疫がSLGsに樹状細胞、T細胞及びB細胞の集積を誘導し、引き続いて抗原特異的な分泌型IgA抗体産生細胞を誘導することを示唆している。
2: おおむね順調に進展している
誤嚥性肺炎時におけるマウスの状態、及び誤嚥性肺炎とインフルエンザ感染を同時に起こしている状態を今後考察するにあたって、健康時における気道免疫防御系(BALT)及び鼻腔免疫防御系(NALT)のプロファイリングは非常に重要である。本年はその評価を行うことが出来たと考えられ、現在までの達成度は「おおむね順調に進展している。」と区分できる。
誤嚥性肺炎モデルを構築する。またその評価は気道免疫防御系(BALT)及び鼻腔免疫防御系(NALT)を中心に評価する。具体的には口腔細菌を用いた感染、及び肺炎球菌を用いた感染、その両方を感染させたモデルを考えている。
研究を進めていく上で必要な研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。具体的にはマウスモデル構築のためにマウスの購入、感染に用いる菌体の培養・調整のために培地、培養チューブの購入、免疫系の評価のために、抗体の購入を予定している。
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PLoS One
巻: 8(4) ページ: e60453.
10.1371/journal.pone.0060453.